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「支える人の学びの場 先生のためのこころ塾2015」を開催しました

 1511kokorojuku_snsei.png「支える人の学びの場 先生のためのこころ塾2015」が、2015年10月17日、10月24日、11月7日、京都大学稲盛財団記念館3階大会議室で開催されました。先生向けのこころ塾は2年目を迎え、2015年は3日間の日程でおこなわれました。

現代の社会には、人を支えることを仕事としている人たちがたくさんいます。中でも、教育や医療の現場で働く人たちは、子どもやお年寄り、病気の人や身体の不自由な人たちが安心して暮らせる社会の、一番の担い手でもあります。そして、支える人たち自身も元気で健やかに毎日を過ごせることが、私たちのめざす日本社会の姿ではないかと考えます。京都大学こころの未来研究センターでは、こうした考えのもとで「支える人たちが元気になる学びの場」を作ることを発想し、2013年から「こころ塾」を開講しています。
(イベント案内より)

 初日の10月17日、会場の稲盛財団記念館3階大会議室には、各地で教鞭を取る先生方45名が集まりました。各日とも全体の司会進行は吉川左紀子センター長が務め、午前中は認知科学、認知神経科学が専門の乾敏郎追手門学院大学心理学部教授(京都大学名誉教授)による講義がおこなわれました。第1日目、乾教授は「円滑なコミュニケーションを支える脳機構」という演題で、他者とのコミュニケーションに焦点を当て脳のメカニズムについて解説しました。次に、村井俊哉医学研究科教授が「『社会性』という観点から心の健康について考える」という演題で、現代社会における精神科の病の背景や現在取り組んでいる新たな精神医学からの視点で社会性、脳、心の病気、精神医学の接点について考察しました。実践報告では、小川詩乃人間・環境学研究科・日本学術振興会特別研究員と田村綾菜愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所リサーチレジデントが、発達障害の子どもたちに対する個別学習支援のとりくみについて、具体的な事例を紹介しました。
 第2日目の10月24日は、乾教授の講義「認知機能の発達とその脳内機構」から始まり、続いて岩宮恵子島根大学教育学部教授が「子どもたちの心を縛るもの:『イツメン(いつものメンバー)』と『ぼっち』から考える」という演題にて昨今の臨床、研究事例から現代の子どもたちをめぐる心の問題について講義しました。実践報告では、加藤寿宏医学研究科准教授が、日々の実践研究からの知見を映像で具体的に紹介しました。
 第3日目の11月7日は、乾教授による「体で学ぶ神経機構:潜在学習」という演題での講義、続いて、キミヤーズ塾・塾長の村上公也先生による「笑顔・考える・つながる授業づくり―目からウロコの教材・教具―」という演題での講義があり、数多くの教材と映像による事例紹介を具体的に示しながら講義をおこないました。実践報告は、奈良県総合リハビリテーションセンターの高畑脩平先生が、読字障害への作業療法支援について、読字や眼球運動の基本的なメカニズムを紹介しながら作業療法上の効果や判断方法についての知見を紹介しました。
 各日とも講義と実践報告の後には、参加者が幾つかのテーブルに分かれてディスカッションをおこない、講師への質問項目をまとめて発表、その後、先生方による解説の時間が設けられ、各日とも活発な質疑応答が繰り広げられました。参加者アンケートでは、「脳の働きと他者のイメージについて知る機会になった。(講師の)著書を入 手し、復習したい」、「作業療法で改善される事例を聞くことによって、より理解が深まった」、「遠かったが、3回参加できて沢山参考になることがあった。さまざまな立場の方と会ってお話を聞くことができた」など、具体的な感想が数多く寄せられました。
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「支える人の学びの場 先生のためのこころ塾2015」
▽日時:第1日/2015年10月17日(土)、第2日/2015年10月24日(土)、第2日/2015年11月7日(土) 各日10:00~17:00(受付開始 9:30~)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室
▽講師:
10月17日(土) 
 〇「円滑なコミュニケーションを支える脳機構」乾敏郎(追手門学院大学心理学部・教授/京都大学・名誉教授)
 〇「「社会性」という観点から心の健康について考える」村井俊哉(京都大学医学研究科・教授)
 〇実践報告 小川詩乃(京都大学人間・環境学研究科・日本学術振興会特別研究員PD)・田村綾菜(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所・リサーチレジデント)
10月24日(土) 
 〇「認知機能の発達とその脳内機構」乾敏郎(追手門学院大学心理学部・教授/京都大学・名誉教授)
 〇「子どもたちの心を縛るもの:「イツメン(いつものメンバー)」と「ぼっち」から考える」岩宮恵子(島根大学教育学部・教授・臨床心理士)
 〇実践報告 加藤寿宏(京都大学医学研究科・准教授・作業療法士)
11月7日(土) 
 〇「体で学ぶ神経機構:潜在学習」乾敏郎(追手門学院大学心理学部・教授/京都大学・名誉教授)
 〇「笑顔・考える・つながる授業づくり―目からウロコの教材・教具―」村上公也(キミヤーズ塾・塾長)
 〇実践報告 高畑脩平(奈良県総合リハビリテーションセンター・作業療法士)
▽プログラム:
10:00~12:00 講義① 乾敏郎(追手門学院大学心理学部・教授/京都大学・名誉教授)
12:00~13:00 昼食
13:00~14:30 講義② ゲスト講師
14:40~15:20 実践報告
15:30~16:00 グループディスカッション
16:00~17:00 講師とのQ&A
▽参加者数:第1日/45名、第2日/38名、第3日/38名
主催:京都大学こころの未来研究センター
共催:京都大学医学研究科 脳機能リハビリテーション学分野 発達障害系研究室

2015/11/17

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