鎌田東二教授 退職記念講演会・シンポジウムを開催しました
2016年2月21日、京都大学芝蘭会館稲盛ホールにて「鎌田東二教授 退職記念講演会・シンポジウム」を開催しました。
こころの未来研究センターが設立された2007年4月に教授として着任した鎌田教授は、宗教哲学、民俗学、日本思想史、比較文明学を専門に研究活動をおこなってきました。
200名の参加者を迎えた退職記念講演会の第一部は、はじめの挨拶として吉川左紀子センター長が、こころの未来研究センターと鎌田教授の歩みを振り返りました。続いて、司会の熊谷誠慈准教授による鎌田教授の紹介があり、「日本文化における身心変容のワザ」という演題にて鎌田教授が1時間の講演をおこないました。鎌田教授は、石笛、横笛、法螺貝に続いてギターを手にオリジナルソングを演奏し、神道ソングライターとしてのパフォーマンスを披露しました。
第二部は、シンポジウム「日本文化とこころのワザ学」として、3名のシンポジストが講演をおこないました。上智大学グリーフケア研究所の島薗進所長は、「道の思想と日本宗教史」という演題にて、日本における技芸等を通した道の追求と宗教あるいは宗教的な伝統との関わりについて考察しました。次に、河合俊雄教授は「心理療法とこころのワザ学」という演題にて、心理療法における「ワザ」の独自性について紹介し、日本文化の中で創り上げられたワザと中世における錬金術を重視したユングの思想を比較することで考察を深めました。続いて、奥井遼パリ第五大学研究員(日本学術振興会海外特別研究員)は、「身心変容とアート教育ーフランスサーカス学校の現場から」という演題にて、現在フランスでフィールドワークを重ねているフランス国立サーカス学校におけるワザの継承を通して、文化の継承と発展、芸術と教育の関係について論じました。その後、休憩をはさんで鎌田教授と3名のシンポジストに加え、コメンテーターに広井良典千葉大学教授を迎えて、総合討論がおこなわれました。
閉会後は、同じ芝蘭会館の山内ホールにて懇親会がおこなわれ、岡野弘彦國學院大學名誉教授、長尾真元京都大学総長、山極壽京都大学総長、陶芸家の近藤高弘氏らがはなむけの言葉を贈り、鎌田教授を囲んで和やかな交流のときを持ちました。
鎌田教授の業績一覧、シンポジウム当日の資料は、下記より閲覧・ダウンロードが可能です。
鎌田先生退職講演・シンポジウム資料集.pdf
[DATA]
「鎌田東二教授 退職記念講演会・シンポジウム」
▽日時:2016年2月21日(日) 13:00~17:00(12:30~受付開始)
▽場所:京都大学芝蘭会館稲盛ホール
▽参加者数:200名
▽プログラム:記念講演会+シンポジウム
・第一部(13:00~14:20)鎌田東二教授退職記念講演
13:00~13:05 センター長挨拶:吉川左紀子(こころの未来研究センター・教授/センター長)
13:05~13:10 講演者紹介
13:10~14:10 講演「日本文化における身心変容のワザ」鎌田東二(こころの未来研究センター・教授)
14:10~14:20 パフォーマンス(石笛・横笛・法螺貝他)
・休憩(14:20~14:30)
・第二部(14:30~17:00)シンポジウム「日本文化とこころのワザ学」
14:30~14:35 イントロダクション
14:35~15:00「道の思想と日本宗教史」島薗進(上智大学グリーフケア研究所・所長)
15:00~15:25「心理療法とこころのワザ学」河合俊雄(こころの未来研究センター・教授)
15:25~15:50「身心変容とアート教育ーフランス国立サーカス学校の現場から」奥井遼(日本学術振興会・海外特別研究員/パリ大学)
15:50~16:00 休憩
16:00~16:50 総合討論
ディスカッサント:鎌田東二、島薗進、河合俊雄、奥井遼
コメンテーター:広井良典(千葉大学法政経学部・教授)
16:50~17:00 閉会
総合司会:熊谷誠慈(こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門・特定准教授)
2016/03/24