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河合教授の論考が『imago 総特集 猫!(現代思想3月臨時増刊号)』に掲載されました

1603kawai_neko.png 河合俊雄教授の論考が、『imago 総特集 猫!(現代思想3月臨時増刊号)』に掲載されました。
 『imago』(イマーゴ)は、詩と芸術の雑誌『ユリイカ』、思想と哲学の雑誌『現代思想』などで知られる青土社が発行するムックです。猫を総特集した本誌に、河合教授は「心理療法における猫」という論考を寄せています。
 これは、猫というイメージを語りの中の猫、イメージとしての猫、分析家と猫、個別の猫の物語の4つの視点から深めていったものです。
 猫は、精神性、動物性、女性性を凝縮したイメージといえますが、自由な動きをするものとして、人のすぐ近くで不思議な働きをすることが多くあります。そのような存在だからこそ、心理療法の場やさまざまな物語のなかで猫は大きな働きをするわけですが、個別の語りや物語をみていくと、猫の働きは実に多様なものです。
 本稿では具体的なお話やエピソードからそれらを掘り下げ、猫という存在についていろいろな側面から考えを深めています。

「心理療法における猫」 河合俊雄
 心理療法においては、クライエントは自分に興味があったり、大切であったりすることを自由に語るので、家族などの話に混じって、猫のこともしばしば話題として登場する。また筆者の行っているのはユング派の心理療法で、夢やイメージを重視するので、猫の夢が報告されたり、箱庭の中に猫が置かれたり、猫の絵が描かれたりすることがある。あるいはロールシャッハなどの心理テストで、猫のイメージが投影されたりする。その場合には、猫という存在やイメージの持つ象徴的な意味が大切となる。また現実における猫が話題になっているときにも、猫の象徴的な意味は同じように働いているとも言えよう。そのようなわけで、猫の象徴的意味を検討しつつ、心理療法における猫について考えてみたい。
1 語りの中の猫
 猫は犬と並んで、代表的なペットである。それは猫が動物であるけれども、人間に近い存在であることを示している。人間に近いというのは、心理学的に見ると、動物的で本能的であるけれども意識に近いということである。また人間と関係と持ちやすい動物で、ある意味で家族の一員のようでもある。ただその関係の質は、一般的に見ていぬとの関係が信頼や忠実をテーマとしていて、確実なものであるのに対して、もっと情緒的なものであったり、謎に満ちたものであったりして、不確実なものである。そのように不確実で神秘的なところが、ある意味でたましいと言われるものにつながると思われる。
 だいぶ以前に筆者が会っていたある不登校のクライエントの自宅では三匹の猫が飼われていた。…
(論考より)

『imago 猫!(現代思想 2016年3月臨時増刊号)』 | Amazon.co.jp 本

2016/02/29

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