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河合教授の論考が『imago 総特集〈こころ〉は復興したのか 3.11以後、それぞれの現場から(現代思想4月臨時増刊号)』に掲載されました

1603kawai_imago4.png 河合俊雄教授の論考が、『imago 総特集〈こころ〉は復興したのか 3.11以後、それぞれの現場から(現代思想4月臨時増刊号)』に掲載されました。
 東日本大震災から5年を迎える2016年3月11日に合わせた震災特集において、河合教授は「震災後のこころのケア活動」と題し、これまでの震災後のこころのケア活動から、時間ということに焦点を当て、見えてきたものを論じています。

「震災後のこころのケア活動」 河合俊雄
 私は、日本箱庭療法学会、日本ユング派分析家協会の合同震災対策ワーキンググループの委員長として、東日本大震災後のこころのケアに取り組んできた。そしてそれは今も継続中である。その中間報告については、学会誌の箱庭療法学研究の特別号(二〇一三年度)にも掲載されていて、事例に関するもの以外は、私のまとめをはじめダウンロードできる( https://www.jstage.jst.go.jp/browse/sandplay/26/Special_Issue/_contents/-char/ja/ )。学術誌でしか発表していなかったものを一般に伝えるという意味で、そこで述べた本質的なものには再びふれることになるけれども、ここでは特に時間の経過という視点を意識しつつ、震災後のケア活動から見えてきたものを論じたい。
1 被災者の主体性・時間・物語
 メディアの発達した現代において、今回の震災はネットやテレビを通じて、被害をほぼリアルタイムで見聞きしてしまうという意味で、被災者だけでなくてまわりの人や他の人たちにとって従来にない特殊で衝撃的な震災になったと思われる。私の場合はヨーロッパでのセミナーの帰りに、早朝のベルリン空港のロビーで見た津波の衝撃の映像が最初の知らせになった。それは日本での第一報とほとんど時間的にずれていないと思われる。
 時間的な同時性を基盤にしてか、震災後すぐに、救援隊のみでなくて、多くのこころのケアチームが動員され、また臨床心理士や精神科医のボランティアが被災地に入っていった。公的機関に務める関東の知り合いの臨床心理士で、職場を通じて割り当てられて、震災直後に寝袋を持って被災地に派遣されていった人もいる。これらの動きには、即刻でアクティヴな支援が問われているように思われた。後になって、心理療法関連での最大の組織である心理療法学会は東日本大震災心理支援センターを立ち上げ、また政府によるこころのケアのための様々な予算や事業も動き出した。
 このような傾向の中で、私たちのグループのような小さな規模のもので可能な、しかも自己満足でない意味のある活動を考える必要があった。…
(論考より)

『imago 総特集〈こころ〉は復興したのか 3.11以後、それぞれの現場から(現代思想4月臨時増刊号)』 | Amazon.co.jp 本
箱庭療法学研究 Vol. 26(2013) No. Special_Issue:震災後のこころのケア

2016/03/10

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