内田准教授の論考が毎日新聞「メディア時評」に掲載されました(連載第2回)
内田由紀子准教授の論考が毎日新聞2016年8月20日付朝刊「メディア時評」に掲載されました。7月から開始した連載の2回目となります。
大きな盛り上がりを見せたリオデジャネイロ五輪。内田准教授は、過去におこなった五輪の報道に関する日米比較研究の結果を紹介し、日米のスポーツ報道それぞれの特徴について解説すると共に、日本人の心理と報道スタイルとの関係性について考察しています。
なお、8月29日の毎日新聞では、山田道子紙面審査委員が本記事を引用したコラム「メダリストと家族との関係を考えさせられたリオ五輪」が掲載されました。いずれの記事も毎日新聞のニュースサイトで閲覧可能です。
メディア時評:丁寧な取材記事は「読ませる」内田由紀子・京都大こころの未来研究センター准教授
本欄を担当するにあたり、新聞の隅々まで目を通した率直な感想は、記者が意気込みを持ってしっかりと取材した記事はやはり「読ませる」ということである。
かつて米スタンフォード大学との共同研究で、2000年シドニー、04年アテネの五輪報道の日米比較を行った。日本では、選手の強さの分析だけでなく、背景や頭角を現す前の姿、挫折、家族や指導者との関わりなど「人間ドラマ」に焦点が当てられており、選手への親近感を覚えさせる。一方、アメリカでは身体的特徴やライバルとの競り合いを分析する内容が多く、勝利の要因は選手本人の強さであるとの観点から報じられていた。日本人は、さまざまな背景状況や他者との関係といった情報を総合して人の行動の善しあしを判断する傾向が強いとされており、この心理傾向と報道内容は合致していた。報道がこうした心の働きを促進しているともいえるし、また読者の心に寄り添う形で報道が作られているともいえる。….
(記事より)
本欄を担当するにあたり、新聞の隅々まで目を通した率直な感想は、記者が意気込みを持ってしっかりと取材した記事はやはり「読ませる」ということである。
かつて米スタンフォード大学との共同研究で、2000年シドニー、04年アテネの五輪報道の日米比較を行った。日本では、選手の強さの分析だけでなく、背景や頭角を現す前の姿、挫折、家族や指導者との関わりなど「人間ドラマ」に焦点が当てられており、選手への親近感を覚えさせる。一方、アメリカでは身体的特徴やライバルとの競り合いを分析する内容が多く、勝利の要因は選手本人の強さであるとの観点から報じられていた。日本人は、さまざまな背景状況や他者との関係といった情報を総合して人の行動の善しあしを判断する傾向が強いとされており、この心理傾向と報道内容は合致していた。報道がこうした心の働きを促進しているともいえるし、また読者の心に寄り添う形で報道が作られているともいえる。….
(記事より)
毎日新聞「メディア時評:丁寧な取材記事は「読ませる」内田由紀子・京都大こころの未来研究センター准教授」
http://mainichi.jp/articles/20160820/ddm/005/070/004000c
毎日新聞「メディア万華鏡:メダリストと家族との関係を考えさせられたリオ五輪 山田道子・毎日新聞紙面審査委員」
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160825/biz/00m/010/003000c
2016/08/30