『ミネルヴァ通信「究」』で河合教授の連載が始まりました
ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』で、河合俊雄教授による新連載「こころの最前線と古層」が始まりました。9月号の第1回は、「変わるこころ、変わらないこころ」です。
新連載 こころの最前線と古層(一)
「変わるこころ、変わらないこころ」 河合俊雄
私が曲がりなりにも心理療法でクライエントに会い始めたのは、大学院一年生の一九八〇年であるから、もう三十数年が経とうとしている。学ぶ立場から教える立場に変わったとはいえ、スポーツなどと違って、心理療法では指導者が、現役を退くわけではない。その意味では常に最前線に立ち続けることになる。だからいくら訓練を受け、経験を積んだとしてもうまくいかないこともあるし、これまでに通用していたことが通用しなくなることもある。それは心理療法が一期一会的なものであるだけにとどまらず、こころが時とともに変化していくことにもよる。
自分が心理療法に関わる職場も、形態も変わっていったので、単純な比較は許されないかもしれないけれども、症状や悩みの変化をはじめとして、私の経験した四〇年に満たない期間であっても、時代とともに人のこころが変わっていったことに驚かされる。こころの最前線は常に変化しているのである。
たとえば、私が大学生のころに、一番ポピュラーな心理的な症状と言えば対人恐怖であった。….
(ミネルヴァ通信「究」9月号より)
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《この連載について》
こころは時代が進むにつれ、常に変化している。
一方で、現代においても「こころの古層」といえるような深層に触れることは多い。
特に危機に際したときには、普段とは異なる次元をたずねることが重要になることがある。
この連載では、時代に沿って変化するこころの新しい側面と、時代を経ても変わることのないこころの古層との両方に触れながら、日本人のこころのあり方について探求していくことになると思われる。 (解説:畑中千紘助教)
「変わるこころ、変わらないこころ」 河合俊雄
私が曲がりなりにも心理療法でクライエントに会い始めたのは、大学院一年生の一九八〇年であるから、もう三十数年が経とうとしている。学ぶ立場から教える立場に変わったとはいえ、スポーツなどと違って、心理療法では指導者が、現役を退くわけではない。その意味では常に最前線に立ち続けることになる。だからいくら訓練を受け、経験を積んだとしてもうまくいかないこともあるし、これまでに通用していたことが通用しなくなることもある。それは心理療法が一期一会的なものであるだけにとどまらず、こころが時とともに変化していくことにもよる。
自分が心理療法に関わる職場も、形態も変わっていったので、単純な比較は許されないかもしれないけれども、症状や悩みの変化をはじめとして、私の経験した四〇年に満たない期間であっても、時代とともに人のこころが変わっていったことに驚かされる。こころの最前線は常に変化しているのである。
たとえば、私が大学生のころに、一番ポピュラーな心理的な症状と言えば対人恐怖であった。….
(ミネルヴァ通信「究」9月号より)
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《この連載について》
こころは時代が進むにつれ、常に変化している。
一方で、現代においても「こころの古層」といえるような深層に触れることは多い。
特に危機に際したときには、普段とは異なる次元をたずねることが重要になることがある。
この連載では、時代に沿って変化するこころの新しい側面と、時代を経ても変わることのないこころの古層との両方に触れながら、日本人のこころのあり方について探求していくことになると思われる。 (解説:畑中千紘助教)
出版社のページ(ここから購入可能です)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b244415.html
2016/09/08