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河合教授、畑中助教、梅村研究員らが日本箱庭療法学会第30回大会で発表しました

 2016年10月15日、16日、帝塚山学院大学(大阪府堺市)で日本箱庭療法学会第30回大会が開催され、河合俊雄教授が公開シンポジウムに登壇し、畑中千紘助教、梅村高太郎研究員らがそれぞれ研究発表を行いました。また、梅村研究員が同大会にて「第17回日本箱庭療法学会河合隼雄賞」を受賞しました(受賞に関する記事はこちら)。
 シンポジウム、各発表の概要は以下の通りです。

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1. 30回記念ケースシンポジウム「事例から見る箱庭療法の30年」

○開催日:2016年10月16日(日)
○シンポジスト:高野祥子(高知心理療法研究所)、前川美行(東洋英和女学院大学)、東山紘久(帝塚山学院大学)、河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター)
○司会:森田 慎(帝塚山学院大学)
<概要>
 日本箱庭療法学会が30回の記念大会を迎えたことを記念して企画されたもので、約30年前の事例と最近の事例を比較しながら検討することによって、箱庭療法の歩んだ30年を振り返ると共に、箱庭療法の未来を考えることを主旨としたシンポジウムです。
 高知心理療法研究所の高野祥子先生によって発表された30年前の事例、東洋英和女学院大学の前川美行先生によって発表された最近の事例はそれぞれに興味深いものでしたが、30年の時代の違いという視点から検討してみると、30年前の事例では、必ずしも専門家の対応がなくても、家族や社会の方に個人を受け入れる土壌があったことが感じられることが指摘されました。

(報告:畑中千紘助教・上廣こころ学研究部門 以下2,4,5も同じ>

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2. 研究発表「大学生のSNSコミュニケーション場面にみられる対人不安とアグレッションの分析-PFスタディ風質問紙を用いて-」(畑中千紘)

1610hatanaka_hakoniwa.JPG<概要>
 近年、発達障害に限らず、大学生世代において内省的意識の弱さが指摘されています。学生相談においても、即時的な解決を求める学生と、漠然と不安を訴えるが何が問題か意識することが難しい学生へ2極化していると言われてきました。このように漠然とした不安を抱える学生が多い一方で、ネットでの炎上やLINEいじめなどに象徴されるような攻撃性の暴発現象も目立ってきています。
 本研究は、大学生世代にみられる対人不安とアグレッション(攻撃性や主張性)の関連を調べるため、「LINE」を通したコミュニケーション場面を想定した質問紙調査を行ったものです。友人から不快な感情を引き起こすメッセージがきたとき、どのような返信をし、その背景でどのように感じるのかについて投影法の手法を援用して調べたものです。
 この結果は、論文等を通じて今後発表していく予定です。なお、本研究は上廣こころ学研究部門「大人の発達障害への心理療法的アプローチ」プロジェクトとして進められた研究成果のひとつです。
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3. 研究発表「家屋画・室内画から見た青年期女子心身症患者の心理的特徴-アレキシサイミアとの関連から-」(梅村高太郎)

1610umemura_hakoniwa.JPG<概要>
 これまでアトピー性皮膚炎やバセドウ病などの心身症患者には、自らがどんな感情を抱いているのかを気づきにくいアレキシサイミアという特徴があると指摘されてきました。心身症の患者に対して心理療法を提供していく際には、こうした彼らの心理的特徴に応じた対応が必要になります。
 そこで、本研究では、心身症患者の心理的特徴をより一層詳らかにし、心理療法的アプローチを適用する際の一助となるよう、心身症患者のアレキシサイミア傾向と、家屋画・室内画という投影描画法に示される特徴がどのように関連しているのかということについて、青年期の女性を対象とした調査から検討しました。
その検討から、心身症のなかには,アレキシサイミア傾向が弱く、周囲との密接な情緒的交流のなかで生じる心理的な軋轢や葛藤が症状の発現につながりやすいタイプと、アレキシサイミア傾向が強く、より生理的・実体的に反応して症状が発現するタイプが共に含まれている可能性を指摘しました。
 本研究は今後も継続され、論文として成果を発表する予定です。なお、本研究は上廣こころ学研究部門「身体疾患・症状に関する心理療法の研究」プロジェクトとして進められた研究成果のひとつです。

(報告:梅村高太郎研究員)

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4. 研究発表「発達障害のプレイセラピーにおけるネガティブな事象-発達検査、日常生活の検討を含めて-」

<概要>
 本発表は、上廣こころ学研究部門「子どもの発達障害への心理療法的アプローチ」プロジェクトのメンバーにより、プロジェクトの研究成果として発表されたものです。
 発表では、発達障害の子どもへの心理療法(プレイセラピー)の中で起こってくるネガティブな事象に注目しました。プレイセラピーは、子どもの自発的な動きを大切にしますが、その中では楽しいことばかりではなく、おもちゃが壊れてしまう、作った山が崩れてしまう、子どもが部屋を出たがらない、など、様々に(一見)ネガティブな事象が起こることがあります。
 一般には、このようなことは起こらないほうがよいものとされますが、本研究では、セラピーのプロセスを見なおすことで、一見ネガティブな事象が子どもの発達や変容のプロセスにどのような役割を担っていたのかを分析したものです。子どものこころが変容するときには、思わぬ偶発的な出来事や、うまくいかないこと・出来ないことに直面することが契機となることがあります。しかし、それは危険を伴うものでもあるため、安全な枠組みの中で行われる必要があります。
 心理療法の専門家が、こうしたネガティブな事象のもつ可能性について改めて認識し、子どもと共にそれを体験し、プロセスを歩んでいくことの大切さについて発表を行いました。
(研究メンバー:田附紘平・畑中千紘・梅村高太郎・皆本麻実・松波美里・岡部由茉・粉川尚枝・鈴木優佳・西珠美・大場有希子・松岡利規・望月陽子・河合俊雄・田中康裕)
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5. 研究発表「夢見手の自己感の様相と夢の構造の関連」

<概要>
 この研究では、大学生を対象に、自己感と夢の構造がどのように関連しているかについて検討したものです。
 一般に夢分析というと、「蛇が出てきたらこのような意味がある」といったように、内容を分析するものと考えられる傾向が強いと思われますが、夢を分析する際に、夢の構造に着目することは夢見手のこころの構造を理解する上で有用な視点となります。
 本研究はこのような前提から、夢見手の自己感のタイプにより、夢の構造がどのように異なるのかを小さい頃の夢と最近の夢についてたずねた質問紙調査から分析を行いました。
 研究結果については、改めて論文等で公開予定です。なお本研究は文部科学省科学研究費事業:「夢の構造分析」に関する発達的・比較文化的・心理臨床的研究(研究代表者:田中康裕教育学研究科准教授)の成果です。
(研究メンバー:粉川尚枝・松岡利規・田中康裕・河合俊雄・畑中千紘・梅村高太郎)


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日本箱庭療法学会第30回大会
日本箱庭療法学会 | The Japan Association of Sandplay Therapy

2016/11/09

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