第39回日本精神病理学会大会で河合教授が講演しました
2016年10月7日・8日に静岡県浜松市で開催された第39回日本精神病理学会大会で河合俊雄教授が教育講演を行いました。
タイトルは「自閉症スペクトラム障害への心理療法の試みと時代性」で、自閉症スペクトラム障害の増加について、時代背景から読み解くと共に、社会構造の弱まりと共に発達が「非定型化」していることを指摘しました。子どもの描画の発達を見ても、時代を経るに連れ、従来の発達段階とは異なる変化を見せるようになっています。
このような流れの中、自閉症スペクトラム障害に見える(が本質的にはそうではないと考えられる)ような子どもが増えているのだと思われます。本講演では、自閉症スペクトラム障害と診断されたり、それに近い状態を呈するお子さんに対してどのような心理療法的アプローチが可能かについても、「子どもの発達障害への心理療法的アプローチ」プロジェクトの成果をもとに具体的にそのポイントが話されました。
<報告:畑中千紘助教(上廣こころ学研究部門)>
◇関連書籍
『発達の非定型化と心理療法 (こころの未来選書) 』(河合俊雄・田中康裕/編、創元社/2016年)
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[DATA]
第39回日本精神病理学会大会
日程:2016年10月7日(金)・8日(土)
会場:アクトシティ浜松コングレスセンター
テーマ:「臨床記述の復権」
▽教育講演
10月8日(土)A会場
教育講演Ⅰ 「看取りの実践から見えてくる生の哲学―訪問看護師の語りを例に」
村上 靖彦(大阪大学大学院 人間科学研究科)
教育講演Ⅱ 「人工生命化する社会の中で、われわれはいかに生きるべきか」
池上 高志(東京大学大学院 情報学環・学際情報学府)
教育講演Ⅲ 「自閉症スペクトラム障害への心理療法の試みと時代性」
河合 俊雄(京都大学 こころの未来研究センター)
司会:生田 孝(聖隷浜松病院 精神科)
第39回 日本精神病理学会大会 | 総合病院聖隷浜松病院ウェブサイト
http://www.seirei.or.jp/hamamatsu/guidance/activity/event/psychopatho/
2016/10/16