『ミネルヴァ通信「究」』に河合教授の連載第4回が掲載されました
ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』12月号に河合俊雄教授の連載「こころの最前線と古層 第4回 発達の非定型化」が掲載されました。
今回の連載では発達の非定型化というテーマを通じて、現代の社会構造のゆるみが私たちのこころ、主体性にどのような現状をもたらしているのかについて論じています。(紹介コメント:畑中千紘助教・上廣こころ学研究部門)
こころの最前線と古層(四)
「発達の非定型化」 河合俊雄
現代において発達障害と思われるものには、「発達の非定型化」とも言うべきものが生じているのではないかと考え、最近一書を編集して出版した(河合俊雄・田中康裕編『発達の非定型化と心理療法』創元社)。そしてこのような発達の非定型化が生じているのは、親子関係をはじめとして、社会構造の緩みと揺らぎが関係していると思われる。
つまりある年齢においてなすべきことへの社会的なコンセンサスが緩んできていて、自由度が増してきているのが、発達の非定型化に関係していると考えられるのである。たとえば何歳まで親と一緒に寝るか、親が付き添うかは、近年年齢が高くなってきている。また登校をしぶる子どもについても、学校に来ないといけないという原理が明瞭でなくなってきて、別室登校、フリースクールなど、様々なバイパスが存在している。….
(本文より)
「発達の非定型化」 河合俊雄
現代において発達障害と思われるものには、「発達の非定型化」とも言うべきものが生じているのではないかと考え、最近一書を編集して出版した(河合俊雄・田中康裕編『発達の非定型化と心理療法』創元社)。そしてこのような発達の非定型化が生じているのは、親子関係をはじめとして、社会構造の緩みと揺らぎが関係していると思われる。
つまりある年齢においてなすべきことへの社会的なコンセンサスが緩んできていて、自由度が増してきているのが、発達の非定型化に関係していると考えられるのである。たとえば何歳まで親と一緒に寝るか、親が付き添うかは、近年年齢が高くなってきている。また登校をしぶる子どもについても、学校に来ないといけないという原理が明瞭でなくなってきて、別室登校、フリースクールなど、様々なバイパスが存在している。….
(本文より)
出版社のページ(ここから『究』の講読が可能です)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b253540.html
□関連書籍
『発達の非定型化と心理療法(こころの未来選書)』(創元社、2016年)
編集:河合俊雄、田中康裕、著:河合俊雄ほか
2016/11/30