河合教授、畑中助教、梅村研究員らが日本箱庭療法学会第31回大会で研究発表を行いました
河合俊雄教授、畑中千紘助教、梅村高太郎研究員らが日本箱庭療法学会第31回大会(2017年10月7日・8日/上智大学四谷キャンパス・東京都千代田区)において、口頭発表を行いました。
1. 研究チームによる共同発表
発表者:鈴木優佳・畑中千紘・梅村高太郎・皆本麻実・田附紘平・松波美里・粉川尚枝・西珠美・大場有希子・松岡利規・望月陽子・豊原響子・文山知紗・河合俊雄・田中康裕
本研究は、「上廣こころ学研究部門」において継続的に行ってきたものを、第二期「上廣倫理財団寄付研究部門」においても引き続き取り組んでいるもののひとつです。今回の発表では、受身的・受容的態度を基本とするのがオーソドックスなプレイセラピーにおいて、発達障害の子どもの場合にはより積極的な関わりが有効である場合があること、また、そうした働きかけに対して子どもはどのように反応し、それはプロセスの中でどのように作用していくのかということを実証的に検討しようとしたものです。
心理療法の本質に関わる研究を実証的方法を用いて明らかにしようとしている点で学問的な意義があると同時に、当日の発表においては継続的に行ってきている本研究の成果が研究者や臨床家に認知されてきていることも感じられ、有意義な発表となりました。
2. 畑中助教による発表
発表者:畑中千紘
日本社会では対人的に繊細な人が多く、対人不安やそれに伴う症状や不適応は大きな問題となっています。本研究はそうした不安と他者に対する主張や怒り、攻撃性がどのように関連しているかについて、複数の心理尺度と心理検査の分析を通して検討を行いました。
怒りを表現してしかるべき場面においてもそれを感じにくくなっている人が増えており、現代社会において攻撃や主張を抑制する傾向が強まっていることがうかがえました。
これらの研究は、本研究部門の年次報告会(2018年1月開催)にて詳しく報告いたします。
(報告:畑中千紘助教・上廣倫理財団寄付研究部門)
◇一般社団法人日本箱庭療法学会年次大会
http://www.sandplay.jp/conference.html
2017/11/07