河合俊雄教授が龍谷大学世界仏教文化研究センター公開研究会で講演。京都新聞、中外日報で取り上げられました
河合俊雄教授が2018年2月11日、龍谷大学世界仏教文化研究センター公開研究会「人類知のポリリズム―華厳思想の可能性―」で「ユング派心理療法と華厳経」と題した講演を行いました。
雪がちらつく中、会場は満員の熱気につつまれました。第一部は龍谷大学世界仏教文化研究センターの3人の先生方の発表、第二部で河合教授、明治大学野生の科学研究所中沢新一所長のお話が続きました。河合教授はユング心理学からみた華厳の考え方や、その日本人にとっての意味について講演を行いました。たとえば、一の中に一切があるという華厳の基本的な考え方は日本人の発想に非常に近く、だからこそ箱庭療法が意味をもちます。つまり、箱庭を作るということは、その具体的な作品を作るということではなくてその人のこころや魂のすべてでもありえるということかもしれないのです。
第三部の登壇者全員で行われたディスカッションでも、象徴の介在なしに直接的にものとつながる日本人のあり方が話題となり、西洋で発展した象徴解釈をもとにした箱庭療法とは異なり、日本での箱庭は、置くことそのものに治療的な意味が生じるという議論にもなりました。その他にも、無から何かが生じてくることについてなど、興味深い議論が繰り広げられ、このシンポジウムが継続的に開催されることに期待が高まる中、幕が閉じられました。
この様子は京都新聞、中外日報で取り上げられました。京都新聞の記事はウエブで閲覧可能です。下記のリンク先にてご一読ください。
「南方熊楠、知の空間先取り 科博企画展に京都の研究反映」(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20180226000117
(報告:畑中千紘助教・上廣倫理財団寄付研究部門)