学術広報誌「こころの未来」第20号が刊行されました
学術広報誌「こころの未来」第20号が刊行されました。今号の特集は「コミュニティ」です。
PDFをダウンロードのうえ閲覧可能です。下記リンク先にアクセスしてご覧ください。
ごあいさつ
本号の特集テーマは「コミュニティ」で、これは当センターの3 領域のうちの「こころときずな」に関係している。こころが個人のものとして捉えられがちなのに対して、おもしろい切り口であるし、2017年の国際京都こころ会議の「こころと共生」を受けているとも言えよう。わたしの専門である心理療法は、アンチコミュニティ的なところがある。前近代には共同体で行われてきた癒しの儀式を、個人の治療契約に変え、秘密保持を強調する。ところが個人に焦点を当てた心理療法を行っても、本人の変化とともに家族が変化したり、周囲の人間関係が変化したりする。さらにユングは、個人を超えた無意識という形でコミュニティを発見したとも言えよう。しかし近年の心理療法では、個人から周囲への波及が少なくなっているように思う。こころとコミュニティの新しい関係を問い直すことが必要ではなかろうか。
2018年12月 京都大学こころの未来研究センター長 河合俊雄
学術広報誌「こころの未来」第20号
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/kokoronomirai_no20/
2019/01/11