吉岡洋特定教授が多摩美術大学で特別講義「デザインの哲学」を行いました
2019年1月16日、吉岡洋特定教授が多摩美術大学(東京都世田谷区)で「デザインの哲学」をテーマに特別講義を行いました。
「デザインの哲学」というタイトルで、とかく経験的・技術的にとらえられがちな「デザイン」という活動の、その背後にある世界観をどう考えたらいいか、という話をしました。
「デザイン」とはただ作ることではなくて、意図を持って作ることです。たとえば「この世界はデザインされているのか?」という哲学的・神学的な問いがあります。「デザイン」という考えを存在論的に解釈した問いです。この問いに”YES”と答えるのがキリスト教やイスラム教などの一神教で、その場合、神が「デザイナー」、自然(被造物)は私たち人間も含め「デザインされた作品」になります。それに対してこれに”NO”と答えるのが近代科学です。”YES”と”NOとでは一見正反対に見えるかもしれませんが、実は自然に関してデザインの有無を大問題にしている点は共通しています。
「世界はデザインされているのか? 」これに、たとえばキリスト教徒でも科学者でもない大多数の日本人なら、どう答えるでしょう。おそらく「そんなことどうでもいい」というのが正直なところではないでしょうか。これが多神教の世界観です。
つまり、デザインの存在論的な問いに無関心なのです。こうした文化の中で見たとき、「デザイン」とはどのように理解することができるのか? について議論しました。
*開催案内チラシは、吉岡特定教授がデザインされています。画像をクリックすると大きな画面でご覧いただけます。
2019/03/13