広井良典教授のエッセイが京都新聞(7月21日付夕刊)の「現代のことば」欄に掲載されました
広井良典教授のエッセイが京都新聞(7月21日付夕刊)の「現代のことば」欄に掲載されました。
タイトルは「生と死のグラデーション」で、認知症気味の母親の介護に関する経験や、多くの日本人が「生と死はどこかでつながっている」と考えていることを示すアンケート調査や関連研究を踏まえ、「生」と「死」は通常思われているように完全に分かたれているのではなく、そこには濃淡のグラデーションのようなものがあり、連続的なものとしてとらえられるという「生と死のグラデーション」と呼びうる見方について述べています。そして、それは強固な「自我」の意識をもった個人が「無としての死」に孤独に向かい合うという、近代的な「死」(の恐怖)を乗り越える、あるいは「和らげる」積極的な意味をもつ可能性があるとし、さらに現代の物理学での「無のエネルギー」という考え方との関連にも言及しつつ、死生観の再構築の方向について述べる内容となっています。
2020/07/27