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阿部准教授らの共著論文が『Neurological Sciences』に出版されました

重宗弥生・東北福祉大学准教授(元・京都大学こころの未来研究センター研究員)と阿部修士准教授らの共著論文 “Intrinsic motivation in patients with Parkinson’s disease: a neuropsychological investigation of curiosity using dopamine transporter imaging” が、『Neurological Sciences』に掲載されました。

本研究は、ドーパミン神経系の変性を示すパーキンソン病(Parkinson’s Disease: PD)患者において、ドーパミン神経系の関与が指摘されている好奇心に低下がみられるかを検討しました。好奇心の測定には、悪い結果になると分かっていたとしても不確実なことを明らかにしたい、というパンドラ効果を用いた課題を利用しました。PD患者と健常対照者(Healthy Control: HC)は、確実条件と不確実条件の2つの条件で、隠されている不快な動物の写真(ヘビ、ゴキブリ、サメ、ネズミなど)を見るか見ないかの判断を行いました。確実条件では隠されている動物の名前が示され、不確実条件では「?」が示されました。PD患者ではSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)画像から線条体のドーパミントランスポーター分布の測定を行いました。写真を見ると判断した割合を比較したところ、PD患者でもHCと同様に、何が出てくるか不確実な場合に、より写真を見るパンドラ効果がみられるものの、PD患者はHCよりも全体的に写真を見る割合が低いことがわかりました。また、ドーパミントランスポーターの分布が低下しているPD患者ほど、写真を見る割合が低いことがわかりました。本研究の結果は、不確実な写真を見たいという好奇心はPD患者でも保たれるものの、写真を見たいという全般的な好奇心はドーパミン神経系の変性により低下することを示唆しています。

 

Shigemune Y, Kawasaki I, Midorikawa A, Baba T, Takeda A, Abe N (2021)
Intrinsic motivation in patients with Parkinson’s disease: A neuropsychological investigation of curiosity using dopamine transporter imaging
Neurological Sciences 42: 3349-3356


https://doi.org/10.1007/s10072-020-04968-4

2021/08/30

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