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2021年度第3回京都こころ会議研究会が開催されました

2021818日(水)に、2021年度第3回京都こころ会議研究会が開催され、北海道大学大学院理学研究院・講師の渡邊剛先生が「サンゴ礁と地球環境変動」と題した発表を行いました。研究会はオンラインで開催され、10名が参加しました。

発表では、まず、環境汚染に敏感でありながら、様々な地球環境の変動を生き抜く耐性を持つサンゴの特性が紹介されるとともに、サンゴの生態や成長過程について解説が行われました。サンゴは、栄養塩の少ない「海の砂漠」と呼ばれる海域に主に生息し、サンゴ礁のある海域は、全海洋生物のうち4分の1もの生物が住む生物多様性を育む場となっています。また、サンゴ礁には、過去5億年の地球環境の変動が年輪のように記録されているといわれており、サンゴ礁の調査を通じて、自然環境への人間の影響や、地震や津波といった過去の自然現象を明らかにする研究方法について事例を踏まえた説明が行われました。発表の後半では、奄美群島の喜界島を拠点とする渡邊先生の研究活動が紹介され、以上のようなサンゴ礁研究がもたらす知見を、文理の境界を超えて活用し、さらなる研究へと繋げていく取り組みについて今後の展望が示されました。また、演劇の手法を用いて研究成果を表現する活動や、子供を巻き込んだ教育的なプロジェクトなど、サンゴ礁研究と社会との関わりの可能性について、実際の活動に即した見解が示されました。

続くディスカッションでは、プランクトンと共生し、歴史を古層に記憶するというサンゴ礁のあり方が、こころとコミュニティーのモデルとして機能するという点が指摘され、サンゴと粘菌の比較に話が及びました。また、人間の生活や信仰、芸術活動とサンゴ礁や環境変動との関わりについても、国内外の例が示され、積極的に議論が交わされました。

2021/09/09

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