広井良典教授の論考が京都新聞(2月16日付夕刊)の「現代のことば」欄に掲載されました
広井良典教授の論考が京都新聞(2月16日付夕刊)の「現代のことば」欄に掲載されました。
タイトルは「ワン・ウェルビーイング」で、地球環境問題の二つの柱である気候変動と生物多様性のうち、昨今特に関心が高まっているのは前者だが、新型コロナなど「人獣共通感染症」の背景に森林の減少が関与しているという近年の研究からすると、生態系の乱れが人間の生命・健康にまで影響を及ぼすに至っているという点では生物多様性の問題のほうがより根源的な“危機”とも言えると述べています。
その上で、人間の「健康」と動物や生態系の「健康」を総合的に見ていくアプローチとされる「ワン・ヘルス」の考え方が、学問分野や行政の縦割りからなお十分に展開していないことを指摘しつつ、“自然のすべてに仏が宿っている”といった日本の伝統的信仰の自然観からすれば、今後は「ワン・ウェルビーイング(人間や自然全体を含む幸福や福祉)」とでも呼べるような考えを深めていくべきではないかという議論を行っています。
*関連サイト
ワン・ウェルビーイング 広井良典 現代のことば|社会|地域のニュース|京都新聞 (kyoto-np.co.jp)
2022/02/17