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研究年報『身心変容技法研究』第2号が刊行されました(全頁ダウンロード可能です)。

130130kamata1.png 鎌田東二教授(写真右)が研究代表者を務める「身心変容技法の比較宗教学-心と体とモノをつなぐワザの総合的研究」の研究年報『身心変容技法研究』第2号が刊行されました。
 本研究は2011年より4年間の計画でプロジェクトが進行しています。多彩な研究メンバーによる最新の臨床心理学、精神医学の臨床研究や認知科学、脳神経科学の実験研究等を結びつけ、身体と心との相互的な関わりをワザやモノを媒介として様々な角度から分析し、「心の荒廃の時代」を突破するための理論と実践を提示することを目指しています。
 プロジェクト2年目の2012年度は、8回に渡って研究会が開催され、3つのフィールドワークと1つの定例分科研究会(世阿弥研究会・月2回)が進められました。研究会では、各メンバーの研究アプローチが順次発表され、各回で活発な議論が交わされました。年報には、研究内容をまとめた論文やフィールドワークの調査概要などが全160ページに掲載され、この一年で進められた研究の全容を知ることができます。
 年報の目次は次の通りです。下記リンクよりダウンロードのうえ全てお読みいただけます。
研究年報『身心変容技法研究』第2号 <目次>  ダウンロード(PDFファイル)
130415shinshin.png第一部 宗教と身心変容技法
身心変容技法の起源とその展開に関する試論  鎌田東二 3
アビラのテレジアの「身心変容」の諸相―「内感」とその行方  鶴岡賀雄 20
身心変容技法としての掃除論  町田宗鳳 29
応用キネシオロジーの世界―O・リングテストは擬似科学か  棚次正和 37
社会的身心の再考―ベルクソン他の素人読みから  津城寛文 47
竜のヨーギ―ドゥクパカギュ派の聖なる快楽のヨーガ  永沢 哲 52
第二部 心と身体のワザ学
心理療法の効果と身心の変容  河合俊雄・長谷川千紘 62
研究ノート:身体に住み込む、身体から旅立つ  井上ウィマラ 67
心身変容技法はなぜわかりにくいか―太極拳を事例に  倉島 哲 75
まぶさび系色彩論  篠原資明 79
身体的自己と他者理解を可能にする神経機構  乾 敏郎 83
第三部 意識変容~瞑想とシャーマニズム
仏教における瞑想とその展開  蓑輪顕量 87
スーフィズムにおける身心変容技法  鎌田 繁 97
シャーマン太鼓の身心変容力  アルタンジョラー 106
神と演じる劇的空間―神事芸能と身心変容技法  木村はるみ 113
苔の行、あるいは身心変容技法―羽黒修験・秋の峰に関する身体論的考察  奥井 遼 123
第四部 教育と心理臨床におけるワザ
わざの学習・学習のわざ ―タクトを手がかりに  鈴木晶子 132
「関係」をめぐる攻防 ―「わざ」の継承を支える「三者関係」  川口陽徳 140
「吾に辱見せつ」を考える ―物言わぬ皇子ホムチワケの反英雄のイニシエーション・モデルを手がかりとして  高見友理 151

【報告】第9回身心変容技法研究会(1月30日開催)/第10回身心変容技法研究会(1月31日開催)
 2012年度最終の研究会が、1月30日・31日の2日間に渡り稲盛財団記念館中会議室で開催されました。
■第9回「ベルクソンと身心変容技法」
130130tanatsugu1.png130130shinohara1.png▽日時:2013年1月30日(水)13時~17時
▽会場:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
▽発表:13:00~14:30「あいだ哲学で語るベルクソン」篠原資明(京都大学人間・環境学研究科教授・美学・詩人)
14:50~15:20 指定討論:棚次正和(京都府立医科大学医学研究科教授・宗教哲学)
15:20~17:00 総合討論・今年度の総括 司会:鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授)
 第9回の研究会は、人間・環境学研究科の篠原資明教授が「あいだ哲学で語るベルクソン」という演題で研究発表を行ないました。1988年から提唱する「あいだ哲学」や「交通論」、「まぶさび瞑想」で知られる篠原教授は、今回の研究会で自身の著書『ベルクソン―”あいだ”の哲学の視点から』を紐解きながら、ベルクソン哲学の要といえる「時間」をキーワードに、ベルクソンの思想から身心変容技法を考察しました。指定討論として、京都府立医科大学医学研究科の棚次正和教授が発表に対するコメントを述べ、鶴岡賀雄東京大学大学院人文社会系研究科教授らを交えて議論が進められました。
 研究会後の鎌田教授によるコメントは、身心変容技法研究会ホームページ「研究問答」でお読みいただけます。
■第10回「芸能と身心変容技法」(一般公開)
130131okui.png130131kimura.png130131matsuoka1.png▽日時:2013年1月31日(木)13:00~17:00
▽会場:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
▽基調講演: 13:00~15:00(講演60分+討論60分)「中世の身心変容技法ー能を中心に」松岡心平(東京大学総合文化研究科教授・中世文学・能楽研究)
15:20~15:50 報告1:「神事芸能と身心変容技法」木村はるみ(山梨大学准教授・舞踊学)
15:50~16:20 報告2:「淡路島の人形浄瑠璃と身心変容技法」奥井遼(京都大学こころの未来研究センター特定研究員・教育学・身体論・淡路人形浄瑠璃研究)
16:20~17:00 総合討論 司会:鎌田東二
 第10回の研究会は一般公開の形で行なわれ、はじめに東京大学総合文化研究科の松岡心平教授が「中世の身心変容技法ー能を中心に」という演題で基調講演を行ないました。能における独特の「かまえ」という身体技法にスポットを当て、能の大成者・世阿弥が確立した現代の能のスタイルまでの変遷を様々な史実と分析によって展開。能と身心変容の関係をダイナミックに考察しました。
 続いて木村はるみ山梨大学准教授が、「神事芸能と身心変容技法」をテーマに巫女舞、古代の舞など舞踊と神との繋がり、舞の継承、神社を巡る巫女とそのワザの伝承について数多くの資料をもとに解説し、神と演じる劇的空間で表現される宗教的身心変容について考察しました。
 2012年度の研究会の締めくくりは、こころの未来研究センターの奥井遼研究員が「淡路島の人形浄瑠璃と身心変容技法」をテーマに、淡路人形浄瑠璃を対象とした調査研究を報告。人形浄瑠璃における三人遣いの「わざ」に着目し、人形を核とする三人のつかい手による暗黙のコミュニケーションからあみ出される身体論を細かに分析しました。
 研究会後の鎌田教授による3つの発表に対するコメントは、同じく「研究問答」でご覧いただけます。

【2013年度の案内】第11回身心変容技法研究会(5月14日開催)/第12回身心変容技法研究会(6月13日開催)
 本年度最初の研究会「第11回身心変容技法研究会」は、5月14日に開催されます。「芸術と身心変容技法」という総合テーマで、京都市立芸術大学音楽学部の柿沼敏江教授、京都市立芸術大学美術学部の高橋悟教授が研究発表を行なう予定です。また、第12回「ベルクソン研究第二弾」は6月13日の開催予定です。詳しくは、下記リンクをご覧ください。
□身心変容技法研究会ホームページ「研究会」
http://waza-sophia.la.coocan.jp/kennkyuukai.htm

2013/04/11

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