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第3回「東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて」シンポジウム・研究会が開催されました

第3回東日本大震災関連シンポジウム7月11日、第3回「東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて」シンポジウム・研究会が稲盛財団記念館大会議室にて開催されました。
▽開催日時:2012年7月11日(水)13:00-17:00
▽場所:稲盛財団記念館 大会議室
▽プログラム
第1部:13:00-14:30
趣旨説明 :鎌田東二(京都大学こころの未来研究センター教授・宗教哲学・民俗学)
基調報告1:玄侑宗久(福島県三春町福聚寺住職・作家)
     『福島の現在と宗教の役割と課題』
基調報告2:島薗進(東京大学教授・宗教学)
     『宗教者災害支援連絡会の活動15ケ月を振り返って』
コメンテーター:稲場圭信(大阪大学准教授・宗教社会学)
第2部:14:45-17:00
報告1  :黒崎浩行(國學院大學准教授・宗教学)
     『被災地の神社と復興の過程」
報告2  :一条真也(本名:佐久間庸和:株式会社サンレー社長・北陸大学客員教授)
     『東日本大震災とグリーフケアについて』
コメンテーター:鈴木岩弓(東北大学教授・宗教民俗学)
        井上ウィマラ(高野山大学准教授・スピリチュアルケア学)
ディスカッション:司会・鎌田東二
2012-07-20no1.pngこころの未来研究センターでは、2011年4月より「東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて」を立ち上げ、震災後のこころの再生に向けた研究ならびに取り組みを継続しています。
本プロジェクトにおけるシンポジウム・研究会では、毎回、様々な立場で活動をおこなう研究者、宗教家、専門家などを招き、分野の垣根を超えた発表と意見交換をおこなっています。
3回目を迎えた今回も多彩な報告者やコメンテーターを迎え、会場には一般参加の方々をはじめ、研究者、学生などが数多く集まりました。会場となった稲盛財団記念館大会議室は満席となりました。
はじめに、前回同様、震災で亡くなった人々への哀悼と復興への祈りがこめられた鎌田東二教授の法螺貝の音が会場に鳴り響き、シンポジウムがスタートしました。
鎌田教授による趣旨説明の後、第一部の基調報告会が始まり、福島県三春町福聚寺住職・作家の玄侑宗久氏が「福島の現在と宗教の役割と課題」で被災地、福島の現状について報告。現地の復興の遅れについて多くのエピソードと共に訴えながら、宗教者の立場から考えた被災者の心のケアの重要性を強調しました。
続いて東京大学の島薗進教授(宗教学)が、「宗教者災害支援連絡会の活動15ケ月を振り返って」というテーマで基調報告をおこないました。
2012-07-18no2.png大震災の後、宗教者がどのように被災地と関わってきたか、災害支援連絡会の歩みを紹介。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を引用しながら被災者のこころへのアプローチの重要性や、高野山足湯隊の活動を例に挙げつつ”傾聴すること”の大切さを強調するなど、印象的な場面が多々ありました。第一部のコメンテーターとして、稲場圭信大阪大学准教授(宗教社会学)が登壇し、お二人の報告に対する意見を述べました。
東日本大震災の発生時刻である14時46分に1分間の黙祷の時間を持ったのち、第2部がおこなわれました。
1番目の報告として、國學院大學の黒崎浩行准教授(宗教学)が、「被災地の神社と復興の過程」を報告しました。神社の被災状況のデータ紹介をはじめ、神社がいかに被災地住民の支えとなったか、被災地と神社の復興と再生に向けての今後の課題などが、豊富な写真と共に紹介されました。
続いて、一条真也氏(株式会社サンレー社長・北陸大学客員教授)による「東日本大震災とグリーフケアについて」の報告がありました。一条氏は冠婚葬祭事業を手がける企業を経営しながら作家としても幅広く活動し、「有縁社会」の提唱や、遺族の悲しみを癒す「グリーフケア」のサポート活動などを積極的におこなっています。報告では、大震災後に葬祭事業者が経験したエピソードの紹介をはじめ、遺族の心のケアの必要性やサポートの実践例、グリーフケアをおこなうにあたってのアドバイスなど、実践者ならではの非常に細やかで具体的な提案がありました。
2012-07-18no3.png第2部のコメンテーターとして東北大学の鈴木岩弓教授(宗教民俗学)、高野山大学の井上ウィマラ准教授(スピリチュアルケア学)が登壇し、島薗・一条両氏の報告を受けての意見が述べられました。
会の最後には登壇者全員によるディスカッションがおこなわれ、締めくくりとして鎌田東二教授から、今後のこころの未来研究センターの東日本大震災関連プロジェクトについてのプラン説明があり、「今回登壇された方々をはじめとする連携研究員の協力をあおぎながら、今後もこのようなシンポジウム・研究会を定期的に開催して研究と議論を深め、社会への発信・提起をおこなっていきたい」と決意を示しました。
来場者にご協力をお願いしたアンケートには、「宗教的側面から震災と復興、心のケアを見つめる良い機会になった」「地域の伝統文化から心を復興していくことが、人々の心の支えに大変重要であることが改めて認識できた」、「震災での心の再生の重要性と継続の必要性を感じた」といった多くの意見が寄せられました。
〜シンポジウムの様子〜
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第3回「東日本大震災関連プロジェクト~こころの再生に向けて」シンポジウム・研究会 逐語録
第2回の逐語録と資料はこちら
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/eqmirai/2012/01/2.html

2012/07/21

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