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河合教授が「第60回日本病跡学会総会」で「ユング『赤の書』シンポジウム」を開催。シンポジストを務めました

130728kawai_byoseki.png 河合俊雄教授が「第60回日本病跡学会総会」(2013年7月27・28日開催/大阪国際会議場)で「ユング『赤の書』シンポジウム」をコーディネートし、シンポジストとして登壇しました。
 病跡学(びょうせきがく)は、傑出した歴史的人物を精神医学や心理学の知識を用いてその個性と創造性を研究し、疾病の意義を明らかにしようとする学問です。第60回を迎えた日本病跡学会総会では、南方熊楠、ドゥルーズ、モーツァルト、中島みゆきなど様々な人物をテーマに扱った講演およびセッションが開催されるなか、河合教授がコーディネートした「ユング『赤の書』シンポジウム」が2日目に開催されました。
 座長を務めた河合教授は、冒頭、『赤の書』の全体像をプレゼンテーションし、セッションでは野間俊一先生(京都大学大学院医学研究科)が「『赤の書』に見られる身体性の変容過程」、河合教授が「『赤の書』における自我の位置と新しい意識」という演題で講演し、川戸圓先生(川戸分析プラクシス)が指定討論者を務めました。
 以下、河合教授による報告です。

○「ユング『赤の書』シンポジウム」
 『赤の書』は、ユングが40歳前、そして第一次世界大戦直前にヨーロッパが洪水に襲われるなどの恐ろしい幻覚を見て精神的危機に陥り、その後にわきあがってきたヴィジョンを元に、自分でイメージを積極的に喚起して、イメージとの対話をはかったのを記録し、それにさらにコメントと絵をつけたものです。ユングの心理療法や心理学の元になった体験とみなされ、ずっと秘伝の書ともされてきましたが、2009年に公刊され、日本では河合が中心となって監訳しました(2010年)。
 このシンポジウムでは、短いイントロをつとめ、また自分の発表「『赤の書』における自我の位置と新しい意識」では、イメージの太古的ですさまじい内容にもかかわらず、観察する自我の構造は保たれているていて、全く精神病的な体験ではないことを強調しました。さらには内容的には、生贄などの身体を巻き込んだイメージにリアルさがあって、死者との関係が、われわれにとっても示唆するところが大きいことを述べました。野間俊一先生は、『赤の書』の全体をていねいに紹介してくださり、やはり身体性に焦点を当てていました。指定討論の川戸先生は、この本が秘密であった意味について述べられていました。(河合俊雄)

[DATA]
第60回日本病跡学会総会「シンポジウム:-ユング「赤の書」について-」
▽開催日時:2013年7月28日(日)9:25~10:55
▽場所:大阪国際会議場
▽プログラム:
座長:河合 俊雄(京都大学こころの未来研究センター)
指定討論者:川戸 圓(川戸分析プラクシス)
S1:「『赤の書』に見られる身体性の変容過程」野間俊一(京都大学大学院医学研究科 脳病態生理学講座精神医学教室)
S-2「『赤の書』における自我の位置と新しい意識」河合 俊雄(京都大学こころの未来研究センター)
第60回日本病跡学会総会のホームページ
朝日新聞デジタルの記事:「半世紀経てユング『赤の書』理論を裏付ける日記刊行」
『赤の書』オフィシャルサイト(創元社)

2013/08/28

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