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吉川センター長のエッセイが京都新聞「キーワードきょうと」に掲載されました

 吉川左紀子センター長のエッセイが、2016年4月1日付の京都新聞一日版に掲載されました。  京都新聞で毎月一日に発行される「一日版」のトップページでは、様々な分野で活動する執筆者が京都についてのエッセイを寄稿しています。吉川センター長は「時間を味方に魅力ある京都に」と題し、長い歴史のなかで伝統文化を培ってきた京都のよさと、自身がどのようにしてゆっくりと時間をかけて京都を好きになったかをソフトな語り口で紹介し、京都ファンの一人として「公共施設に和風の木造建築を取り入れては」と提言しています。

yoshikawa_kyotonp.png「時間を味方に 魅力ある京都に」吉川左紀子 京都大学こころの未来研究センター 教授、センター長 ゆっくり時間をかけて好きになる  京都の真ん中、中京区のマンションに住むようになって、16年になります。若い頃は、春は梅や桜、秋は紅葉のきれいなお気に入りのスポットがあって、その季節になると車でドライブに行っていましたが、今は毎日の通勤経路がお気に入り。通勤途中、鴨川にかかる丸太町通りの橋から北山の方角を眺めると、四季折々の鴨川の流れや川岸の緑、遠くに見える下鴨神社の森など全体の風景が里山のようで、見るたびに「いいなあ…」としみじみします。鴨川だけでなく、東山や北山、西山近くの風景もいいですよね。  人口150万の都会の中でこんな風景が毎日楽しめるのは、本当にすごいことだと思います。たとえば、一度でも「コンクリートで護岸工事をしよう!」と決めて実行してしまったとしたら、今のような鴨川はなかったはず。そう考えると、今、私たちが毎日目にしている風景は、ここに住んだ人たちが長い長い年月をかけて育ててきたものなんですね。こんなことを考えながら歩いていると、「この町はいいな」と思う度合いが、日々、アップしていくのを感じます。京都は長い歴史の中で作られてきた町ですから、ゆっくり時間をかけて好きになる、というのは正しい態度じゃないかと思っています。 (「一日版 キーワードきょうと」京都新聞 2016年4月1日付第1面 より)

2016/04/11

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