岩手県滝沢市と「幸福感を育む環境づくりに関する包括連携協定」を締結しました
こころの未来研究センターと岩手県滝沢市は2018年1月29日、「幸福感を育む環境づくりに関する包括連携協定」を締結しました。
協定に関する研究は内田由紀子准教授を中心に実施します。同市が第1次滝沢市総合計画を進めていくに当たり、幸福感を育む環境づくりの観点から連携し、市内における意識調査等、滝沢市をフィールドとした研究に取り組んでいきます。
同日、稲盛財団記念館1階セミナールームにおいて締結式が行われ、柳村典秀市長をはじめとする滝沢市の関係者、吉川左紀子センター長、内田准教授ならびに研究員らが出席し、協定書への署名、挨拶、概要説明、記念撮影が行われました。
協定についての詳細は、下記の資料をご覧ください。
□1月11日付の岩手日報に掲載 「滝沢市と京都大研究センター 幸福づくりへ二人三脚」
(2018.1.11 岩手日報)
□岩手県滝沢市ウェブサイト:第1次滝沢市総合計画(幸福感を育む環境づくり)
http://www.city.takizawa.iwate.jp/admin/keiei/sougou_keikaku/kouhukukan.html
[発表資料]
京都大学こころの未来研究センターと滝沢市との連携協定締結について
―幸福感を育む環境づくりに関する包括連携協定―
概要
京都大学こころの未来研究センターと、滝沢市の間で「幸福感を育む環境づくりに関する包括連携協定」を締結し、地域における新たな豊かさとしての「幸福」に関して、学術的な面及び実際の地域活動の面の両面から研究を進め、地域の豊かさや魅力についての検討を深めていく。
1. 背景
現代の日本においては、人々が重視する豊かさがこれまでの「モノの豊かさ」から「こころの豊かさ」にシフトしている。滝沢市ではこのトレンドを受けて、市の将来像を「誰もが幸福を実感できる活力に満ちた地域」と設定し、その実現に向けた市総合計画では「幸福感を育む環境づくり(の基盤づくり)」を進めることで、人とのつながりを通じた市民の「こころの豊かさ」が育まれ、市の発展につながるという仮説を立てて市政を運営している。しかし、現状は前述の仮説に基づくものでしかないため、人とのつながりが地域の幸福にどのような影響を及ぼすのかという点について、データや客観的事実等に基づく、十分な分析による学術的根拠により裏付けを行う必要がある。
京都大学こころの未来研究センターでは、内田由紀子准教授を研究代表者として、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)が実施する「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域の研究開発プロジェクトを推進している。本プロジェクトでは、地域の幸福を多面的に測定し、その結果を地域社会にフィードバックすることで、地域の強みを検討する機会を提供している。その一環として、京都大学こころの未来研究センターと滝沢市が、行政と学術という領域を超えた包括連携協定を結ぶことにより、市を対象とした調査分析を実施し、魅力的な地域のありかたについて提言を行っていく。
2. 研究手法・成果
・滝沢市内一部地域において、アンケート調査を実施、分析を行う。
・これまで滝沢市全市を対象に行ってきたアンケート調査の分析を行う。
・従来の関西地方での研究成果と、滝沢市での成果を比較することで、地域性を反映した多様な幸福感を検討する。
3. 波及効果、今後の予定
・自治体が「幸福」を掲げた市政運営を行うことが、これまで以上に一つの潮流となりうる
・東北地方~関西地方という多様なフィールドを活用し、地域性を加味した全国にまたがる幸福感醸成につながる。
・地域という場がもつ幸福の土壌が、そこに暮らす個人にどのように影響を与えるのか。また、個人は地域にどのように貢献するのか。こうした観点からあらたに幸福のあり方をとらえなおす。
4. 研究開発プロジェクトについて
・JST/RISTEX「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域・平成27年度採択プロジェクト
「地域の幸福の多面的側面の測定と持続可能な多世代共創社会に向けての実践的フィードバック」
研究代表者:内田由紀子・京都大学こころの未来研究センター准教授
https://ristex.jst.go.jp/i-gene/projects/h27/project_h27_1.html
<イメージ図>
2018/02/01