京都大学ブータン友好プログラム第10次ブータン訪問団に千石真理研究員が参加しました
京都大学ブータン友好プログラムの第10次訪問団メンバーとして、千石真理研究員がブータンに滞在しました。訪問団の概要につきましては京都大学ブータン友好プログラムのページをご覧ください。
以下に、千石真理研究員のレポートを掲載します。
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平成25年1月18日から28日まで、第10次ブータン訪問団として出張させていただきました。写真を添付して、要点を報告させていただきます。
この度の訪問で最も重要だったのは、26日に行われたテインプー病院での保健省とのミーテイングに参加したことでした。ブータンは今年度、初めての医学部設立で検討を重ねています。ミーテイング中で特に印象に残ったのは、憲法で、西洋医学と伝統医療は対等であると定められており、それぞれの分野の医師が協力し合い、患者の治療にあたるということでした。さらに、近代化が進むブータンでは、かつてはなかった自殺者の問題が発生し、それに対応することも大きな課題だということです。
また、日本人小児科医でテインプー病院勤務の西澤和子医師に病院内を案内していただき、サムテガン、テキアゴナ、ポプジカのBHU(Basic Health Unit)を訪問し、現地の医療事情について学ばせていただきました。
その他、タシチョゾン、プナカゾン、メモリアルチョルテン記念碑、チミ・ラカン寺院等を訪れたこと、モテイタン動物園で国獣、ターキンを、ポプジカ谷でチベットからの渡り鳥、オグロヅルを観察したことも得難い経験となりましたが、サムテガンでのキャンプと民家宿泊は現地での生活を肌で感じられ、素晴らしい思い出となりました。
ブータンの人たちは幸福だと言われますが、それは自然と共生し、生きとし生けるもののために祈るからであると私は実感しています。自分の欲望を満たすためだけでは、本当に幸福にはなれない。今回の旅で、改めてそう感じました。社会や家族の中の絆やつながりを考えると、日本が今、ブータンから学べることはたくさんあると思います。今後、京都大学が益々ブータンとの交流を深め、社会貢献につながる研究や、発信ができることを、期待しています。
サムテガンBHUにて プナカゾンにて メモリアル・チョルテンのマニ車
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2013/03/15