「こころを知る、未来を考えるーダイアログBAR」第2回を開催しました
10月3日、「こころを知る、未来を考えるーダイアログBAR in 京都大学こころの未来センター」第2回が、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。本イベントは、研究者、学生、社会人など異なる立場の参加者が集うことで、学問の世界にあらたな『つながり』とアイディアの共創をもたらすことを目的に、この秋、3回のシリーズで開催して参ります。
ダイアログBARとは?
“ダイアログBAR” は、トークゲストを交えて参加者同士が対話し交流する双方向型のイベントです。こころの未来研究センターは、NPO法人ミラツク、株式会社ウエダ本社と共催し、初めてダイアログBARを企画しました。第1回が9月5日に、第2回が10月3日に開催され、学生、研究者、社会人など多様な人たちが参加しました。なお、第3回は11月28日に開催されます。
第2回のテーマは「グローバルとローカルの融合」
前半のトークセッションには、榊田隆之京都信用金庫専務理事、草郷孝好関西大学社会学部教授、小野邦彦株式会社坂ノ途中代表取締役の3人が登場しました。
最初にマイクを持った榊田氏は、自身のアメリカ留学体験を皮切りに、海外との接点のある職業を経験し現在に至った経歴を紹介すると共に、代表理事を務めるNPO法人グローカル人材開発センターの取り組みを挙げて、グローバルな視点で物事を考えながら、地域社会(ローカル)の発展に情熱を注ぐ、そんな「グローカル」な行動が重要である、と話しました。続いて草郷氏は、人間開発論→アクションリサーチなど自身の専門分野を紹介しながら、研究者として「社会に身を置いてそこから何が見えるか?」という思想を大切にしながら取り組んでいること、これからさらにアクションリサーチを広めながら、新たな学びの環境となる「恊働のまなびや」づくりも視野に入れたい、と話しました。小野氏は、京都大学総合人間学部で文化人類学を学んでいたエピソードをユーモアを交えながら紹介しながら、当時のバックパッカー経験を通して現代社会の問題と向き合い、農薬や化学肥料に依存しない農業による「持続可能な社会」をつくるため、株式会社坂ノ途中を創設した経験を話しました。
それぞれの自己紹介プレゼンの後は、3名個々への質問・回答や、進行役の西村勇也NPO法人ミラツク代表が出した「グローバルとローカルの関係とは?」といった話題に対し、トークが弾みました。「グローバルは、人・モノ・カネが流動化し、それがコモディティ化、陳腐化につながる。地域性がないと面白みがない。先日、ウガンダの農家が来日したとき鹿児島の喜界島に連れて行ったら、それぞれの農産物の話題で盛り上がった。今のグローバル社会でないと実現しないつながりもある。そんな出会いのある社会っていいんじゃないか」(小野氏)、「グローバルという言葉をよく用いること自体、”異質なもの”に触れる機会の少ない人が増えているのでは?日常で自分が異質なものとどうれだけ、どう接触しているか、一度、自分自身に問うてみてほしい」(草郷氏)、「ローカルには自分たちの生活があり、問題がある。それらを解決することで”豊かな世界”へとつながる。個が分断するなかで、地域をつなげいかに新たな価値を創造するか。ダイアログBARのようにつながることが大事」(榊田氏)。といった発言により、最後まで盛り上がりました。
後半は、参加者が主役となる対話の時間です。10個のトピックが出され、4人ずつテーブルに分かれてグループでディスカッションが行われました。センターの内田由紀子准教授、熊谷誠慈准教授、阿部修士准教授、共催者の岡村充泰株式会社ウエダ本社社長も加わって、各テーブルでは多様なトピックについて活発な議論が交わされました。10個のトピック(順不同)は、「教育環境のグローカル」「生きていくうえで大切にしたい価値観とは?」「京都を元気にするためにできること」「世代をつなぐコレクティブハウス」「学校と地域のしくみづくり」「サービス・小売りのグローカル」「京都でのHP制作で価値を提供するには?」「経済的に遅れている地域がいかに地元の資源を使って自立していくのか?」「主流と周辺のグローカル。新しい場所のつくりかた」「とってもおいしい・分かる『農業体験ツアー』」でした。それぞれのテーマで、異なる立場、肩書、世代の参加者が熱心に意見を交わす様子が印象的でした。
「こころを知る、未来を考えるーダイアログBAR in 京都大学こころの未来センター」の第3回は11月28日です。今後、イベントページもしくはFacebookページにて募集告知しますので、ぜひ興味のある方はご覧ください。
[DATA]
第2回「グローバルとローカルの融合」
▽日時:2013年9月5日(金)18:30縲鰀21:00(18:20開場)
▽場所:京都大学稲盛財団記念館3F大会議室
▽内容:
前半:3名のゲストによるセッション
株)坂ノ途中 代表取締役 小野邦彦
京都信用金庫 専務理事 榊田隆之
関西大学 社会学部 教授 草郷孝好
後半:参加者主体でトピックを持ちよるダイアログ(小グループディスカッション形式)
▽主催:京都大学こころの未来研究センター
▽共催:NPO法人ミラツク、株式会社ウエダ本社
▽第2回の参加者数:53名
2013/10/09