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『現代密教』誌に鎌田教授の講演録「日本の風土と神仏習合の過去と未来」が掲載されました

 真言宗智山派の智山伝法院が発行する機関誌『現代密教』第25号(2014年3月発行)に鎌田東二教授の講演録が掲載されました。
 2013年2月25日に別院真福寺でおこなわれた智山伝法院主催の公開シンポジウム「自然と人間〜震災を契機とした仏教的自然観〜」にて、鎌田教授は赤坂憲雄学習院大学教授らと共にシンポジウムに参加しました。「日本の風土と神仏習合の過去と未来ー東北被災地をめぐりながら考えること」というテーマで講演した鎌田教授は、多様で豊かな日本の自然と文化をバッグボーンとする神道と、それに共鳴しながら人々の暮しに寄り添ってきた仏教それぞれの関係と歴史を紐解き、東日本大震災で浮き彫りになった寺社と地域の生態智との深い関わり、被災者の暮しと心を支えた仏神と伝統芸能の力について、東北被災地を幾度も巡った経験と長年の研究知見をもとに考察しました。

kamata_gendaimikkyo.jpg「日本の風土と神仏習合の過去と未来ー東北被災地をめぐりながら考えること」京都大学こころの未来研究センター教授 鎌田東二先生
 東日本大震災後、これまで私は四回にわたって福島県相馬市や名取、青森県八戸市までの四〇〇〜五〇〇キロ、一番長くは一〇〇〇キロ近くを巡りました。たくさんの神社、お寺、新宗教の施設や教会や仮設住宅を訪ね、そこで被災者の方々にお話を伺ってきました。その過程で、改めて思ったのは、日本に神社とお寺の両方があって、そして神道と仏教の伝統行事が町々や村々に、排他的でなく共存してくれていることを本当にありがたいと思いました。東北各地の被災地で、多くの神社やお寺が避難所となったり、地域の復興のよりどころになったり、そこで行われるさまざまな民俗芸能の姿が活力を与え、鎮魂、供養のしるしになっているのを見てきましたが、そのような思いを強く持った次第です。
 神仏習合の歴史と民俗を持っている日本の過去から、聖徳太子やおじいさんに当たる欽明天皇の時代から仏教が入ってきたと言われています。神道と仏教、神社とお寺が、時には少し争うこともありましたけれども、全体としてみれば、仲良く共存し、地域住民の精神的な支えや共同社会の大事な基盤、インフラになってきたという過去と伝統があり、今なおそのかたちが残っている。それは、恐らく未来にわたって日本の重要な文化特徴もしくは文化資源として伝えられていくだろう。こういう、今に生きる歴史文化遺産をこれから先も大いに生かしていく。そういう必要があると強く思ったわけです。
(講演録より)

◇関連情報
『現代仏教』第25号の紹介ページ – 智山伝法院ウェブサイト

2014/10/09

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