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鎌田教授の論考が収められた『岩波講座 日本の思想 第五巻 身と心―人間像の転変』が出版されました

kamata_iwanami.png 岩波書店が創業百年記念出版事業として刊行する『日本の思想』シリーズの第五巻に鎌田東二教授の論考が収録されました。「身と心―人間像の転変」が主題となった第五巻は、歴史の流れのなかで変遷し続けてきた日本人の精神論、身体論が様々な角度から論じられている論考集です。
 鎌田教授は「身体と修行」をテーマに執筆。「『身体と修行』をめぐる『古事記』の中の『潜在思想』」、「日本仏教における身体と修行」、「『身体と修行』をめぐる日本中世」、「修験道と能の『身体と修行』」、「近世の『身体と修行』ー身心変容から等身大へ」、「近現代における『身体と修行』の問題系」という構成で、自身の研究成果をもとに日本の思想という視座のもと、日本の歴史における身体と修行論を展開しています。

 「身体と修行」というテーマで「日本の思想」を捉えようとするとき、直接的には仏教(仏法)あるいは仏道修行がその主要な事例となることはまちがいない。最澄の「止観」、空海の「三密加持」、空也や源信や法然や親鸞や一遍の「念仏」、栄西や道元の「禅」、日蓮の「題目」などを、「身体と修行」をめぐる「日本の思想」とその具体的実践例として検討していくことができる。(中略)
 本稿では、「日本の思想」の形成という視座から、そうした仏教や仏道思想における「身体と修行」の流れとその思想性や特質を吟味していく。その際、仏教あるいは仏道修行が日本の自然・風土・環境と歴史の中で「日本の思想」として独自の展開を遂げていくときの土壌とも触媒ともなる「潜在思想性」を、まずは『古事記』の中から掘り起こして措定しておきたい。そして次に、潜在化され可視化され意識的に実践されてきた仏教の「身体と修行」を取り上げ、さらに加えて、古事記的神道的「潜在思想」と仏教的「潜在思想」が絡み合いつつさらなる変容を遂げていく中世の和歌即陀羅尼説やほぼ同時期に隆盛をみる修験道における「身体と修行」に論及し、最後に近現代の新宗教や霊学なども視野に入れつつ「身体と修行」について試論を展開していきたい。
 この論順に従いながら、「身体と修行」をめぐる「日本の思想」のかたちと力と特質を浮びあがらせてみたい。
(書籍より抜粋)

岩波講座 日本の思想シリーズ – 岩波書店ウェブサイト
『岩波講座 日本の思想 第五巻 身と心―人間像の転変』 – Amazon.co.jp

2013/10/02

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