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  4. 日本社会心理学会第49回大会において、センター連携プロジェクトのワークショップ「『社会的こころ』の多様性の進化的・遺伝的基盤に関する研究-双生児法によるー」が開催されます(11月3日)

日本社会心理学会第49回大会において、センター連携プロジェクトのワークショップ「『社会的こころ』の多様性の進化的・遺伝的基盤に関する研究-双生児法によるー」が開催されます(11月3日)

11月2日~11月3日に鹿児島で開催される日本社会心理学会第49回大会において、センター連携プロジェクト「『社会的こころ』の多様性の進化的・遺伝的基盤に関する研究-双生児法によるー」のワークショップが開催されます。
 
日時:2008年11月3日(月)13:45~15:15
場所:鹿児島県民交流センター 中研修室1、中研修室2
タイトル:社会心理学への行動遺伝学的アプローチ
 
企画・話題提供
 安藤寿康(慶應義塾大学文学部)
 敷島千鶴(慶應義塾大学先導研究センター)
 平石 界(京都大学こころの未来研究センター)
 
指定討論
 結城雅樹(北海道大学大学院文学研究科)
 内田由紀子(京都大学こころの未来研究センター)
 
企画概要:
  「個人の社会的行動の表出は、時代背景となる社会の所産であり、その源泉は個人の意識にはない」(Durkheim, 1895)とするこのテーゼは、多くの社会学者たちを支えてきた。他方、生命科学に目を向けて見れば、とりわけ分子遺伝学の長足の進歩に伴い、近年その歴史は大きな変革を遂げている。2003年のヒトゲノム配列解読の完了は、人がDNAに書かれたおよそ31億個の塩基対情報から構成される有機体であることを示した象徴的な科学的成果である。パーソナリティ特性の個人差に寄与する神経伝達物質に関わる遺伝子多型も同定されてきている(Reifand Lesch, 2003)。こうした人類史上未曾有の生命科学の発展は、社会科学にとっても無縁ではあるまい。社会現象のエージェントが、生命現象を司る生物としての人であることを考えれば、これまで「社会的」形質としてその生成因を社会にばかり求めてきた種々の形質の個人差を理解するにあたり、そこに遺伝子の働きを仮定したとしても、それはもはや非現実的な不合理とは言えないだろう。
 
 人の形質の個人差に関わる影響を、遺伝と環境という立場から検討する方法に行動遺伝学のアプローチがある(安藤, 2000; Plomin et al., 2000)。この統計学的アプローチでは、形質に観察される類似性を、一卵性双生児と二卵性双生児の間などで比較することにより、その形質の背後に仮定した遺伝要因と環境要因の寄与を量的に推定する。企画者たちは、この方法論を用いて、慶應義塾双生児研究(Shikishima et al., 2006)に登録される青年期、成人期の双生児男女およそ1000組を対象に、パーソナリティ、社会的態度、認知能力、ジェンダー、精神的身体的健康など、人の広範な形質を測定してきた。そして、「社会的」形質にも遺伝の影響が少なからず寄与することを見出している(敷島・平石・安藤,2006)。こうした行動遺伝学研究は、最近徐々に認知されつつあるが、とりわけ社会心理学の領域において、いまだ市民権を得るには至っていない。本ワークショップでは、企画者たちが行ってきた双生児研究から得られた知見を幅広く紹介することにより、行動遺伝学が社会心理学においてどのように貢献し得るかについて検討し、今後の研究の展開の可能性を議論する。
・日本社会心理学会第49回大会HP
http://db1.wdc-jp.com/jssp/conf/jssp2008/

2008/10/31

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