内田准教授による東日本大震災後の報道ならびにジャーナリストの感情経験を検証した論文が『PLOS ONE』に掲載されました
内田由紀子准教授らがセンターの「東日本大震災プロジェクト」にて実施した東日本大震災の報道内容分析ならびにメディアの記者の方々への質問紙調査を実施した研究が、オンラインジャーナル『PLOS ONE』に掲載されました。
書誌情報
Uchida, Y., Kanagawa, C., Takenishi, A., Harada, A., Okawa, K., & Yabuno, H. (2015).
How did the media report on the Great East Japan Earthquake? Objectivity and emotionality seeking in Japanese media coverage. PLoS ONE, e0125966.
Uchida, Y., Kanagawa, C., Takenishi, A., Harada, A., Okawa, K., & Yabuno, H. (2015).
How did the media report on the Great East Japan Earthquake? Objectivity and emotionality seeking in Japanese media coverage. PLoS ONE, e0125966.
メディアが震災についての客観的な報道をする上での難しさに直面していたことを検証しています。研究1では震災後半年間のテレビや新聞の内容分析をおこない、メディアは客観的な事実情報を伝える傾向が高かった一方で、キャスターや記者のコメントは、感情的なところに訴えるものも見られたことを分析しています。また、研究2では115名の記者への調査を実施し、震災時の報道において記者たちは客観性を追求しようとされていたものの、実際に報道された記事に対しての客観性に対する自己評価は必ずしも高くなく、特に原発事故の報道の客観性担保が難しいと感じられていたという結果が報告されています。また、記者が取材活動を通じて感じた罪悪感や悲しみなどのネガティブな感情が、報道内容の客観性についての自己評価を下げる要因となっていたことなどが検証されています。
論文は下記リンクよりダウンロードできます
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0125966
2015/06/17