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箱庭療法学研究第30号に河合俊雄教授の講演の記録が掲載されました

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 河合俊雄教授が講演を行った2017年度第1回 日本箱庭療法学会研修会全大会講演(2017年7月9日/大正大学)の記録が、箱庭療法学研究 第30号に掲載されました。


河合俊雄 (2018) 世界のなかの日本の箱庭療法 伝統的背景と可能性. 箱庭療法学研究. 30 (3). 95-114.
-構成-
はじめに
Ⅰ. 日本の箱庭療法の発展
Ⅱ. 箱庭と前近代・子どもの心性
Ⅲ. 日本の箱庭の特殊性
Ⅳ. ものの魂:草木国土悉皆成仏
Ⅴ. 曼荼羅と自然
Ⅵ. ミニチュア化という内面化
Ⅶ. 象徴という中間のない分節と芸能

 講演は、「世界のなかの日本の箱庭療法 伝統的背景と可能性」というテーマで行われました。
 日本のユング派の多くは、イメージをそのまま捉える点で、中国・韓国などの象徴性に準拠する捉え方と異なり、アジアの中で比べてもユニークなことが指摘されます。その中でも、特に、日本の箱庭療法にはどのような特徴があるのか、どういった伝統的背景があるのかに、講演では焦点があてられています。
 箱庭療法は、日本に限らず、子どもの心性や、前近代的な心性を持つクライエントに馴染むものであり、箱庭の内容や変化は、クライエントにもセラピストにも見える形で非言語的に共有されることや、実際に触ることができるというリアリティが、非常に大事な特徴と述べられます。
 一方で、日本の箱庭には、象徴的な解釈のみでは何か捉えそこねる感じがあり、それが、それぞれのイメージをそのまま大切にする見方に繋がっているのではないかと考えます。日本には、こころの古層が残っているため、すべてのものに魂がある世界として感じるところがあり、それが独特な箱庭をつくっているのではないかと考えます。
 また、日本での箱庭療法の普及の背景には、自然でこころを表す日本人に、箱庭療法がとても合っていたからではないか、とも指摘されます。
 日本人は、自然を内面化するために、生け花や盆栽のように自然をミニチュア化していったこと、巡礼のような自然の中での宗教体験の大事さに触れ、箱庭療法は、こうした日本の伝統にフィットするものであり、箱庭のミニチュアの中にも、巡礼的な意味が込められているのではないかと、述べられています。

(解説:粉川尚枝 特定研究員)

2018/06/05

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