『日経ARIA』に、河合教授のインタビュー「40歳からの自分探し」が公開されました
『日経ARIA』に、河合教授のインタビュー「40歳からの自分探し」が公開されました。『日経ARIA』は今年2019年2月に創刊し、特に40~50代の働く女性を主なターゲットとしたウェブマガジンです。インタビューは、第1回「自分は必ずしも、自分の内にはいない」、第2回「自覚のない不安感と自分探しの罠」、第3回「いまどきの「中年クライシス」と夫婦の危機」の3回に分けて公開されています。
河合教授はインタビューの中で、まずSNSへの投稿や他人の目を気にするような現代の傾向にふれ、SNSなどで自分を開示しているようにみせても、出過ぎた真似をしてたたかれないようにと、私たちはかなり自分を抑え込んでいるのではないかと指摘しています。そして、この「無自覚に抑圧された自分」に加えて、ライフステージが多様化する一方で制度自体はなかなか変わらないことが、個人の不安や生きにくさに繋がっているのではないかと述べています。
その上で教授はインタビューのテーマである「自分探し」について、こうした抑えているものを緩めることで、自然に自分から出てくるものがあるのではないか、「実はこれがしたかったんだ」というように「パッと出てきた自分」をみつければいいのではないかと提案しています。また、例えば自分独自のユニークな場所を見つけるなど、巡礼のような形で、外にあるものの中から自分らしさを見いだす方法もあるとの考えを述べています。 また、子育てが一段落した後のパートナーとの関係についても、日本人に馴染むのは向かい合うより、ふたり並んで併走するくらいがちょうどいいのではないかと述べ、ここでもふたりで横に並んで出かけるような巡礼の旅を提案しています。
教授はインタビューのまとめとして、リアリティのないSNSや占いのようなものが溢れている現代において、「自分探し」として自分のリアリティを探すことには、ニセモノだとわかっていても心が動くような体験や、イメージの世界から何か掴んだものを自分自身のリアルな世界につなげることが、大事ではないかと提言しています。
(解説:粉川尚枝 特定研究員)
『日経ARIA』のページ
(上)「人にどう見られるか」を優先し、「自分」が表面化している
https://aria.nikkei.com/atcl/column/19/021900074/051500014/?i_cid=nbparia_sied_psealist
(中)ライフステージの多様化と制度の壁が自覚なき不安感を大きくしている
https://aria.nikkei.com/atcl/column/19/021900074/051500015/?i_cid=nbparia_sied_psealist
(下)子育てが一段落。パートナーとの関係性を見直し、始まる「自分探し」
https://aria.nikkei.com/atcl/column/19/021900074/052900017/?i_cid=nbparia_sied_psealist
2019/06/03