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2020年第3回こころ研究会で金森万里子さんが発表を行いました

 2021年1月13日、第3回京都こころ会議研究会(延期のため再開催)が開催され、東京大学大学院医学系研究科博士課程在籍の金森万里子さんが「牛の健康から人の健康へ:農村の自殺の社会的決定要因の探索」と題した発表を行いました。研究会はオンラインで開催され、18名が参加しました。

 

 発表では、人、動物、生態系の健康は相互に関連しているという立場から、農村における自殺率に関する二つの研究について報告が行われました。まず一つ目の報告では、日本の農業地域における自殺率について農業の種類別に調査したところ、酪農・畜産産出額が高い地域では低い地域よりも高い自殺率が見られるという研究結果が示されました。二つ目の報告では、スウェーデンを事例に、都市と農村での自殺率の比較を行った研究の結果が紹介され、特に男性の移民について農村地域では自殺率が高い傾向が現れることが指摘されました。発表では、このような農村での高自殺率の背景にある社会的決定要因について様々な可能性が紹介され、今後の研究の展望が示されました。

 続くディスカッションでは、社会学や心理学など様々な立場の研究者から意見が出され、自殺の原因を特定することの難しさが指摘されると共に、個人的要因ではなくビッグデータ等を用いて社会的傾向を調査することの意義について積極的に議論が交わされました。

2021/01/28

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