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河合隼雄先生の著作『宗教と科学の接点』が復刊され、河合俊雄教授が解説を執筆しました

河合隼雄先生の著作である本書は、1986年に出版されたもので、今回、岩波現代文庫から復刊されることとなりました。本書の内容は、「宗教と科学の接点」と題して、雑誌『世界』での全6回にわたる連載を訂正加筆したものです。本書の中で河合隼雄先生は、現代に生きる人々がぶつからざるを得ないと思われる「宗教と科学の接点の問題」について、自身の心理療法家としての実際の経験を踏まえ、エピソードを織り込みながら、様々な問題点を提起して論じています。

今回の復刊に際して、河合俊雄教授は、解説「たましいから物語へ」を執筆しています。教授は、本書に出てくるキーワードから、第1章のタイトルでもある「たましい」について、ユングや河合隼雄先生の事例にも触れながら、心理療法における宗教と科学の接点という観点で考察していきます。そして、河合隼雄先生が、宗教と科学の対話はいかに可能となるのかを検討する中で、両者をつなぐ「物語」というキーワードに移っていったのではないかと指摘しています。

また教授は、宗教と科学に接点が生じてきた背景にある「時代性」との関連にも触れながら、河合隼雄先生が日本人にとって「自然」が持つ意味と、西洋化によりその日本の自然観にもたらされた否定的な側面を、本書で指摘していることにも注目しています。特に「自然について」「心理療法について」の2章を挙げながら、本書は30年以上前に書かれたものでありながらも、環境問題が更に進み、また新型コロナウイルスによるパンデミックに直面する現在の私たちにとって、示唆に富むものではないかとその意味に言及しています。

 

○書籍データ
宗教と科学の接点
著:河合隼雄
出版社:岩波書店(2021年4月)
ISBN-13: 978-4006004354
出版社の書籍ページ
https://www.iwanami.co.jp/book/b570591.html

2021/04/15

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