粉川研究員による原著論文が『Psychologia』に掲載されました
粉川尚枝研究員による原著論文が、Psychologia特集号第62巻2号に掲載されました。
Konakawa,H. (2020). Characteristics of Japanese Dreams in Psychotherapy: Dreams that develop dreamers’ psychological themes based on a connection with the Japanese mentality. Psychologia, 62 (2), 163-180.
本論文は、“夢の中の私が他者を見る状況”“他者が夢の中の私に友好的に働きかける状況”という2パターンの夢の状況と、日本人の精神性との関連を明らかにするため、3つの量的研究を行ったものです。研究1では、日本人とドイツ人の心理療法事例の比較を、研究2では、日本人の事例の心理療法過程で両状況に生じる変化についての検討を行いました。また、研究3では日本人の大学生の「子どもの頃に見た印象的な夢」と「最近見た印象的な夢」を収集し、非臨床群の夢における両状況の出現率を調査しています。
3つの研究の結果からは、“夢の中の私が他者を見る状況”“他者が夢の中の私に友好的に働きかける状況”が日本人の夢の特徴であることと共に、こうした状況の夢を見ることが、日本人の精神性や心理的テーマ、自己形成の過程とも関連しているのではないかということが示唆されました。
(解説:粉川尚枝 特定研究員)
2021/04/20