『Journal of Clinical & Translational Endocrinology』第19巻に河合俊雄教授の共著論文が掲載されました
『Journal of Clinical & Translational Endocrinology』第19巻に、河合俊雄教授の共著論文が掲載されました。
この論文では、甲状腺疾患の一つで、甲状腺ホルモンの過剰分泌という症状を呈する“バセドウ病”と、バセドウ病に合併して起こる精神症状について論じています。 甲状腺疾患では、精神症状が合併して発症することが多く、特にT3と呼ばれる甲状腺ホルモンがセロトニンとノルアドレナリンの調節機能を持つため、甲状腺疾患はうつ状態や不安状態と密接に関連することが知られています。そして、甲状腺疾患の治療により甲状腺の機能が正常化した後でも、その精神症状が持続する場合が多く見られます。 バセドウ病の場合も、ストレスを含めた心理社会的要因と精神症状との関連が指摘されているのですが、こうした精神症状の併発は、バセドウ病のような甲状腺機能亢進症を悪化させてしまいます。そのため本論文では、バセドウ病と関連した精神症状の治療として、生物-心理-社会モデルに基づく心身医学的アプローチが重要ではないかと提言しています。
Atsushi Fukao, Junta Takamatsu, Takeshi Arishima, Mika Tanaka, Toshio Kawai, Yasuki Okamoto, Akira Miyauchi, Akihisa Imagawa. (2020). Graves’ disease and mental disorders. Journal of Clinical & Translational Endocrinology, 19, (in press).
* 本論文はオンライン(こちら)でも閲覧することができます。
2019/11/25