『発達』に河合教授の論考「自閉症スペクトラム障害の主体性の弱さと時代性」が掲載されました
『発達』第161号の「【特集】わたしの自閉症論」に、河合俊雄教授の論考「自閉症スペクトラム障害の主体性の弱さと時代性」が掲載されました。
この特集では、臨床や教育に関わる専門家らが、事例とともに自閉症についての論考を執筆し、自閉症だけでなく、発達や臨床実践に至るまで広く論じています。
河合教授は、当センターにおける「発達障害への心理療法的アプローチ」プロジェクトのこれまでの研究と臨床実践を基に、発達障害に対する心理療法の有効性を示しつつ、その治療的ポイントを述べています。特に発達障害の中核的特徴として、発達障害の状態像から「主体のなさ・弱さ」を捉えることで、その主体を生じさせるような心理療法が重要になることを示唆しています。
また、現代の社会構造の変化と関係して「発達の非定型化」が起こり、多少なりとも主体の問題を持つような、発達障害に似た人たちが増加していることにも触れています。そして、こうした人たちに対しても、発達障害への心理療法的アプローチは有効ではないかと提言し、論考を終えています。
河合俊雄. (2020). 自閉症スペクトラム障害の主体性の弱さと時代性. 発達, 161, 22-27.
〔構成〕
1. 発達障害と主体性
2. 主体性の成立と心理療法
3. 自閉症と時代性
『発達』のページ
https://www.minervashobo.co.jp/book/b488197.html
2020/02/10