粉川尚枝特定研究員が執筆した『心理療法過程で生じる夢の意味』が出版されました。
粉川尚枝特定研究員が執筆した『心理療法過程で生じる夢の意味』が出版されました。
本書は、私たちが見る夢を通して起こる心の変容のプロセスを、夢の中での私と他者との関係性、夢の中の私の行為主体感の程度、夢の中の場所・時間・私の視点の連続性といった、夢の構造面に着目して検討したものです。
本書は、複数の臨床事例研究への数量的分析、非臨床群への質問紙調査、著名な臨床家らの文献研究から構成され、心理療法場面で生じる夢の臨床的意味を実証研究に基づいて論じています。特に、心理療法に来談する相談者の心理的問題が夢にどのように現れ解決されていくのか、クライエントの心の変容の契機となる夢の構造のパターン、日本人に特徴的な夢の構造などに焦点を当て考察を行っています。
粉川尚枝 (2020). 心理療法過程で生じる夢の意味 夢の構造面についての分析から. 創元社.
~構成~
序章
第1章 心理療法場面における夢の用いられ方―諸学派の理論の比較から
第2章 夢の構造分析を用いた日本人の夢と西洋人の夢の比較の試み
第3章 夢分析を用いた日本の事例についての夢の構造の特徴に関する検討
第4章 夢見手の自己感の様相と夢の構造の関連
第5章 心理療法過程で生じる夢の中の他者、物、場所の役割
第6章 ドイツの事例と日本の事例の夢の構造に関する比較
第7章 日本の事例の特徴と示唆された夢の構造に関する検討
終章 心理療法過程で生じる夢の意味
2020/03/23