内田教授らの共著論文が国際学術誌Frontiersに掲載されました
内田由紀子教授らの共著論文が国際学術誌Frontiersに掲載されました。
De Almeida I & Uchida Y (2021)
Who can buffer marginalization risk? Affect experience, affect valuation, and social marginalization in Japan and Brazil.
Frontiers in Psychology, 12:501165.
doi: 10.3389/fpsyg.2021.501165
第1著者のIgor De Almeida さんは内田教授のもとで博士の学位を取得し、現在も共同研究を継続しています。
本研究では、これまでデータがあまり多くないブラジルの被験者を対象にして、社会的疎外感と感情との関係を検討しました。東アジアの社会では、高覚醒ポジティブ感情(HAP: 興奮、高揚など)よりも低覚醒ポジティブ感情(LAP: 落ち着き、穏やかさなど)を追求し、理想とされることが知られています。一方、ラテンアメリカの文化では、生き生きとしたポジティブな感情表現によって社会的関係が促進されるため、高覚醒感情が重視されます。こうした知見と一致し、本研究の結果からは、ブラジルでHAPを感じる強さが社会的疎外と負の関係にあることが示されました。ブラジル文化において、HAPを感じることができるような社会的要因は、文化的疎外に対する緩衝剤となっている可能性があることを論じました。
2022/01/19