ベッカー教授の記事が『グリーフケア』創刊号に掲載されました
上智大学グリーフケア研究所発行の『グリーフケア』創刊号(2013.3.18)に、カール・ベッカー教授が参加した座談会記事「グリーフケアの課題と未来」が、掲載されました。グリーフケア研究所は、日本で初めて「グリーフケア」を扱う研究所として2009年4月に聖トマス大学(兵庫県尼崎市)に開設され、2010年4月に上智大学に移管されました。ベッカー教授は、客員所員を務めています。
本誌には論文のほか、研究所員と識者による座談会記事などが掲載され、ベッカー教授は浅見昇吾グリーフケア研究所正所員、戸松義晴浄土宗総合研究所主任研究員と共に「グリーフケアの課題と未来」というテーマで座談会を行ない、グリーフケアの現状と直面する問題、そして今後の展望について話しています。
ー今後のグリーフケアー
浅見:つながりやコミュニティがなくなったら、今後のグリーフケアのメインターゲットとなる方々に対して、元のコミュニティ関係を取り戻させるのは難しいということですね。そうだとすると、私たちはグリーフを抱えている人たちに対して、どういうカウンセリングなり、ケアなりをしていくべきなのでしょうか?
ベッカー:声を大にして伝えたいのは、死を語れる空気をもっと増やしていかないといけないということです。我々は死に囲まれています。すぐそばの病院で他人が死にかけつつあるという意識で私はここに勤めています。(中略)生きたままこの地球を出られないなら、亡くなるまでをどう過ごすのか?そして、「おしまい」をどう迎えるのか?その危機感と真剣さを持って生きて初めて、友人が先に亡くなるか、あるいは自分が先に亡くなってしまう場合、自分と周囲がそれらに対応できる土壌ができあがるのです。その土壌ができていれば、グリーフケアのいくつかのステップを踏むことができます。しかし土壌がない限りは、グリーフケアを行うことは難問です。
(『グリーフケア』創刊号 「グリーフケアの課題と未来」座談会記事より抜粋)
浅見:つながりやコミュニティがなくなったら、今後のグリーフケアのメインターゲットとなる方々に対して、元のコミュニティ関係を取り戻させるのは難しいということですね。そうだとすると、私たちはグリーフを抱えている人たちに対して、どういうカウンセリングなり、ケアなりをしていくべきなのでしょうか?
ベッカー:声を大にして伝えたいのは、死を語れる空気をもっと増やしていかないといけないということです。我々は死に囲まれています。すぐそばの病院で他人が死にかけつつあるという意識で私はここに勤めています。(中略)生きたままこの地球を出られないなら、亡くなるまでをどう過ごすのか?そして、「おしまい」をどう迎えるのか?その危機感と真剣さを持って生きて初めて、友人が先に亡くなるか、あるいは自分が先に亡くなってしまう場合、自分と周囲がそれらに対応できる土壌ができあがるのです。その土壌ができていれば、グリーフケアのいくつかのステップを踏むことができます。しかし土壌がない限りは、グリーフケアを行うことは難問です。
(『グリーフケア』創刊号 「グリーフケアの課題と未来」座談会記事より抜粋)
□関連情報:上智大学グリーフケア研究所HP
http://www.sophia.ac.jp/jpn/admissions/griefcare
2013/04/11