ブータン仏教研究プロジェクト(BBRP)

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研究代表者
鎌田東二 京都大学こころの未来研究センター 教授

連携研究員
熊谷誠慈 京都女子大学・専任講師
安田章紀 京都大学こころの未来研究センター・非常勤研究員
松下賀和 京都大学こころの未来研究センター・非常勤研究員

共同研究員
Marc-Henri DEROCHE 京都大学文学研究科・給費留学生
Karma URA 王立ブータン研究所(Centre for Bhutan Studies)・ President.
Dendup CHOPEL 王立ブータン研究所(Centre for Bhutan Studies)・ Research Officer
今枝由郎 フランス国立科学研究センター(CNRS)・教授

センター参画
吉川左紀子 京都大学こころの未来研究センター 教授
内田由紀子 京都大学こころの未来研究センター 准教授

平成23年3月11日に発生した東日本大震災および続く福島の原発事故は、東日本の広範な地域に甚大な被害を及ぼしただけでなく、国民全体にとっても今後の社会の在り方について根本的に再考を迫る大きな契機となった。こうした状況の下、同年11月15日~20日に第5代ブータン国王ジクメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュクご夫妻が来日され、その言動に多くの日本人が共感、親しみ、時には感動を覚え、熱狂的に支持したことは記憶に新しい。これは、国王夫妻を通じてもたらされたブータン像が、震災後新たな価値基準創設を模索する日本人のこころに共鳴し、惹きつけたからであろう。
その後、日本中に「ブータンフィーバー」ともいうべき現象が起こり、ブータンに関する情報が連日メディアを賑わせた。「幸福の国ブータン」は今や日本国民の注目の的となっている。その一方で、ブータンに関する学術研究は、国内外において十分とは言えない。現代のブータンの幸福感や政策(政治・経済・環境)等については、現状でもある程度研究が進められているが、そうしたブータンにおける活動のベースとなっているブータン仏教については等閑にされ、ほとんど研究が行われていないため、本質をつかみ損ねている場合も少なくない。
こうした背景のもと、連携研究員の熊谷誠慈は、2012年1月10日に、王立ブータン研究所(Centre for Bhutan Studies)と共同で、「ブータン仏教研究プロジェクト」(Bhutanese Buddhism Research Project)を開始した。
本プロジェクトは、[1]過去、[2]現在、[3]未来の3つの視点を柱として進行している。
[1] 過去(文献研究):ブータン仏教文献の精読に基づき、ブータン仏教の歴史、思想を解明していく。
[2] 現在(フィールド研究):現地の寺院などをフィールド調査することで、ブータン仏教の現状を解明していく。
[3] 未来(応用研究):以上の研究から得られたブータン仏教のエッセンスを、複数の専門分野の研究者たちと共同し、未来社会に還元すべく応用研究を行う。
 以上のように、基礎・応用の両面からブータン仏教研究を行うことが、本プロジェクトの目的であり、研究成果は定期的かつ効果的に広く社会に発信していく。その結果として、現在社会から求められている新たな価値基準の創設に貢献することが期待される。

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