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こころの未来研究センター連携MRI研究施設開設記念シンポジウム「脳科学の地平を拓く -こころと社会につながる新たな知-」が開催されました

 2013年2月16日、連携MRI研究施設開設記念シンポジウム「脳科学の地平を拓く -こころと社会につながる新たな知-」が、稲盛財団記念館大会議室で開催されました。
MRsympo-1.png▽開催日時:2013年2月16日(土)13:00~17:40
▽開催場所:京都大学稲盛財団記念館3F大会議室
▽対象:研究者、学生
▽参加者数:74名
▽プログラム:
・13:00 – 13:10 開会挨拶 吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター)
・13:10 – 13:20 来賓挨拶 澤川和宏(文部科学省研究振興局学術機関課長)代読 小坂井克也(文部科学省研究振興局学術機関課課長補佐)
・13:20 – 13:30 来賓挨拶 井村裕夫(元京都大学総長・財団法人先端医療振興財団理事長)
・13:30 – 14:10 定藤規弘(自然科学研究機構生理学研究所)「領域架橋共同研究に於けるMRIの役割 -社会神経科学を例に-」
・14:10 – 14:50 坂井克之(東京大学大学院医学系研究科)「ヒト前頭前野と認知制御」
・14:50 – 15:30 本田学(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)「感性的質感認知へのイメージングからのアプローチ」
・15:30 – 15:50 休憩 Coffee Break
・15:50 – 16:30 Joan Chiao(Northwestern University, U.S.A.)” Cultural neuroscience: Mapping cultural and genetic diversity in the developing brain”
・16:30 – 17:10 Julie Grèzes(Ecole Normale Supérieure, France)” The interplay between the limbic and the cortical motor systems”
・17:10 – 17:50 Shihui Han(Peking University, China)” How do we understand and share others’ pain? The effect of social group relationships”
■ 複雑で多様な人のこころを解明するために。開かれた共同研究施設として新たな一歩へ
130216fMRI1.png こころの未来研究センター連携MRI研究施設は、2012年4月、南部総合研究1号館に設置されました。fMRI装置(機能的磁気共鳴画像装置)を用いた脳科学研究が本格的に始まり、すでに8つの研究プロジェクトが生まれ、センター内外の研究者らが連携して研究を進めています。
 シンポジウムの開催にあたり、吉川左紀子 こころの未来研究センター長は、挨拶のなかでこのように連携MRI研究施設について紹介しています。
 「本施設は、日本学術振興会の最先端研究基盤事業に採択された『こころの先端研究のための連携拠点構築事業(WISH)』の一環として導入されたMRI装置を中心とする研究施設です。こころの未来研究センターのような人文社会系の部局にMRIという大型の先端研究設備が整備されたことは、こころの科学研究の推進にとって画期的な出来事です。設置にあたり、情報学研究科の水原啓暁先生、自然科学研究機構生理学研究所の定藤規弘先生、ATR脳活動イメージングセンタの正木信夫先生をはじめ多くの方のお力により無事に設置されました。この場をお借りして先生方のお力添えとご努力に感謝します。」
 また、2007年4月に設立した当時のセンターを振り返りながら、「開設当初、こころの未来研究センターは、例えていえば更地の上に小さな家を建てたような研究組織でした。6年後、こうした最新の実験設備が整備され、国内外で先端研究を推進されている中堅、若手の研究者の方々をお招きして記念シンポジウムを開催できることを本当に嬉しく思います。さらに先日、WISH事業に参画する東京大学、北海道大学にもfMRI装置が整備されることが決まりました。本日、会場に来られている岡ノ谷一夫先生は、東京大学におけるWISHの中心メンバーです。こころの先端研究を推進する、それぞれに異なる個性を持った国内外の研究組織を結ぶこと、そしてまさに絆を生み出すこころの仕組み、絆が作り出す人間社会のあるべき姿を複数の大学の研究者が共同して研究すること、文部科学省の支援を受けながら、新しい研究の仕組みが一歩一歩作られつつあることを実感しています」と、話しました。
 挨拶の結びには、「人のこころのように、複雑で多様で謎に満ちた働きを科学的に解明するには、様々な役割を担う複数の組織からなるネットワークの共同作業が不可欠です。それはまさに人間の脳の仕組みと同じではないか、と考えます。こころの未来研究センターは、こうした大きな事業の一翼を担い、今後、この連携MRI研究施設から多くの研究成果を発信していきたいと考えています。会場に来られている皆様も、こころの未来研究センター連携MRI研究施設を、どうぞご自身の研究にご活用ください」と、連携MRI研究施設の重要性と、今後の展望を話しました。
P2163600.JPG 来賓のご挨拶として、澤川和宏 文部科学省研究振興局学術機関課長に代わり小坂井克也課長補佐より、次のようなご祝辞をいただきました。
 「21世紀を迎えた現代社会では、心の働きの不調から生まれる様々な問題に直面しています。こころの働きの科学的解明には、認知科学や社会諸科学との連携、さらには脳科学との共同研究の場が不可欠であると考えられています。こころの未来研究センターでは、こころと密接なつながりを持つ脳のデータを科学的に解析するために研究施設内にfMRI装置を導入され、心理学者や脳科学者などに開かれた学際的な共同研究施設として運用されており、人文科学と神経科学の融合による人の社会性に関する研究の発展に大きく貢献しておられます。さらに平成24年度補正予算により、北海道大学および東京大学にfMRI装置が導入されることにより、大規模集団実験と複数fMRI装置を連携した新たな研究の展開が期待されています。文部科学省としても、こころの未来研究センターが国内外の研究者コミュニティに開かれた研究拠点として、研究成果を広く社会に還元することで、こころについての科学的知識の普及を図るとともに、顕在化しているこころの問題の本質的解決へ向けた人材育成にも大きく貢献されることを期待しています。」
 続いて、井村裕夫 元京都大学総長・財団法人先端医療振興財団理事長からは、次のようなご挨拶をいただきました。
 「脳とこころの研究は、21世紀の生命科学に残された最大のフロンティアであるといえます。しかし脳は、その構造の複雑さのゆえに、また、現時点では少なくともこころは最終的に主観的にしか分からないゆえに、アプローチがきわめて困難な分野であります。それゆえにこそ、ゲノム科学、生化学、生理学、臨床医学、心理学をはじめとした様々な手法が研究に用いられています。MRI、特にfMRIが極めて有力な研究手技であるということは言うまでもなく、この度のセンター連携MRI研究施設の完成により、京都大学を中心とした脳とこころの研究が、新しい飛躍の足場を作ることができたのではないか、と思います。本日のシンポジウムでは、こころと社会の関係についての最近の研究が、脳科学の視点から議論されるものと考えております。第一線の研究者の方々から新しい知見を聴くことは大変愉しいことです。そういう意味で、私も愉しみにしてこの会にやって参りました。皆様も、このシンポジウムをおおいに楽しんでいただきたいと思っています。」
 その後、神経科学の第一線で活躍する6名の研究者らが登壇し、特別講演を行なっていただきました。定藤規弘先生(自然科学研究機構生理学研究所)、坂井克之先生(東京大学大学院医学系研究科)、本田学先生(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)、Dr. Joan Chiao(Northwestern University, U.S.A)、Dr. Julie Grèzes(Ecole Normale Supérieure, France)、Dr. Shihui Han(Peking University, China)が、それぞれ最新の研究成果と活動内容を紹介しました。シンポジウム会場には、ポスター掲示も同時に行なわれ、休憩時間にはこれらを眺めながらの活発な会話と交流が見られ、盛況のままシンポジウムは終了しました。
 当日のプログラムと特別講演のアブストラクトは、こちらよりダウンロードしてご覧いただけます。
▽登壇者とシンポジウム風景
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2013/03/15

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