こころの未来研究センター研究報告会2016「こころの拡がりと未来」を開催しました
こころの未来研究センター研究報告会2016「こころの拡がりと未来」を、2016年12月11日、稲盛財団記念館中会議室(発表会場)および大会議室(ポスター会場)にて開催しました。日頃、センターの取り組みに支援をいただいている関係者をはじめ、学内外の研究者、大学院生、学部生など多くの方々にお越しいただきました。
当日は、2016年に進められた連携研究プロジェクトの研究成果をポスター掲示すると共に、4月にセンター教授に着任した小村豊教授、広井良典教授、吉岡洋教授の3名が研究報告を行い、ディスカッサントを交えて議論を深めました。はじめに吉川左紀子センター長が開会の挨拶として、平成28年度のセンターの活動や研究者らの功績を振り返ると共に、2017年に10周年記念シンポジウムを開催することを紹介し、「この10年間、多くの方々にサポートをいただきながら、こころとからだ、こころときずな、こころと生き方の3領域にかかわる研究を学際的に進めてきました。今後、20周年、30周年に向け、引き続きこころの学際研究に取り組んで参ります」と話しました。
研究報告は、はじめに小村教授が「意識は、自然科学に「こころ」を開くのか?」というタイトルで、意識という難解なテーマに対し神経科学、心理学・情報学・ 医学・物理学を融合させて取り組んできたこれまでの知見と今後の展望について報告しました。続いて、広井教授が「持続可能な社会、持続可能なこころ」というタイトルで、「拡大・成長」から「成熟・定常化」への移行という重大な転換期とする現代において注目すべき社会デザインだと考える「持続可能な福祉社会」について考察、提言しました。そして、大会議室でのポスターセッションと休憩を挟んだのち、三つめの報告では吉岡教授が「アートとこころの未来」というタイトルで、美学・芸術学の理論的研究と共に芸術活動の現場で実践研究に取り組んできたこれまでの足どりと、本年度の活動実績を紹介しました。その後、ディスカッサントに大阪大学大学院生命機能研究科・医学系研究科の仲野徹教授とフィールド科学教育研究センターの伊勢武史准教授をお迎えし、登壇者、聴講者を交えた活発な討論、質疑応答がおこなわれ、河合俊雄教授による閉会の挨拶で終了しました。司会進行は内田由紀子准教授が務めました。
[DATA] こころの未来研究センター研究報告会2016「こころの拡がりと未来」
▽日時:2016年12月11日(日)9:30~13:20(9:00 受付開始)
▽会場:京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室(ポスター会場:大会議室)
▽対象:研究者、学生
▽プログラム
・ 9:30 – 9:35 開会の挨拶 吉川左紀子(京都大学こころの未来研究センター 教授・センター長 )
・ 9:35 – 10:10 研究報告①「意識は、自然科学に「こころ」を開くのか?」小村豊(京都大学こころの未来研究センター 教授)
・10:10 – 10:45 研究報告②「持続可能な社会、持続可能なこころ」広井良典(京都大学こころの未来研究センター 教授)
・10:45 – 11:20 研究報告③「アートとこころの未来」吉岡洋(京都大学こころの未来研究センター 特定教授)
・11:20 – 12:00 ポスターセッション + 休憩
・12:00 – 13:15 ディスカッション ディスカッサント:仲野徹(大阪大学大学院生命機能研究科/医学系研究科 教授)、伊勢武史(京都大学フィールド科学教育研究センター 准教授)
・13:15 – 13:20 閉会の挨拶 河合俊雄(京都大学こころの未来研究センター 教授・副センター長)
▽参加者数:75名
2016/12/29