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『ミネルヴァ通信「究」』に河合教授の連載第35回が掲載されました

 ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』2019年7月号に、河合俊雄教授の連載「こころの最前線と古層」が掲載されました。  

今回のテーマは「心理療法とネット」です。  

 今回の連載では、近年、インターネットを通じての面接が増え、自宅や仕事場などから心理療法を受けることができるようになったことが取り上げられ、現代のテクノロジーの進歩が心理療法にもたらした変化がテーマになっています。

これまでネットを通じての心理療法は、心理療法家側が自分の訓練のために、物理的に通うのが困難な遠隔地の分析家に面接を受ける、といった目的で着目されてきました。このようにネットでの面接は、州や国を超えての心理療法をも可能にしますが、一方で、ネットで面接を行う心理療法家の資格の問題や、倫理的・法的な問題が生じた場合の対応等を考えていく必要があることがまず指摘されています。

また、こうした法的な問題だけでなく、一時間くらいかけて心理療法に通うことができる場合でも、ネットで面接を済まそうという発想が出て来るかもしれないことに、著者は言及しています。その場合、“日常の自分から離れて、面接室という決まった場所で、秘密やこころの深い内容を語る”という相談者の心理的な守りや、“心理療法への行き帰りに、自分自身のことや、その日の面接で起こったことを振り返る”という大切なプロセスはどちらも失われるため、心理療法が場所を定めている意味や、時間をかけて心理療法を受けに行くことの意味を考えると、テクノロジーの進歩が心理療法にもたらす変化は大きいことを著者は指摘しています。

(解説:粉川尚枝 特定研究員)

こころの最前線と古層(三五)「心理療法とネット」河合俊雄  
心理療法は、時間・場所・料金という構造を守るのを原則としているが、これまで取り上げてきたアウトリーチ化とサービス化は、まさにその原則を揺り動かしていることがわかる。今回はそれに加えて、テクノロジーのもたらした変化について検討したい。 以前から電話でのカウンセリングは存在していて、それの是非も常に問われてきたけれども、近年におけるインターネットの進歩によって、skypeなどを用いて面接することが増えている。…

(論考より)

出版社のページ(こちらから『究』の講読が可能です) https://www.minervashobo.co.jp/book/b456562.html

2019/07/02

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