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『ミネルヴァ通信「究」』に河合教授の連載最終回が掲載されました

ミネルヴァ書房の発行する月刊誌『ミネルヴァ通信「究」(きわめる)』2019年12月号に、河合俊雄教授の連載「こころの最前線と古層」が掲載されました。  

 今回のテーマは「個人のこころと解決」です。 これまでの連載では、現代における一般的なこころのあり方について、今のこころの最前線はどのようなものか、そこにこころの古層はどのように残っているかを、具体例を挙げながら論じてきました。このように、その時代に生きる人々のこころが全体として進んでいく流れがある一方で、最終回となる今回の連載では、その流れに乗る程度やこころの古層の保たれ方など、こころのあり方には個々人にバリエーションがあること、また、個々人のこころは自分が直面する課題に個別の解決を見いだしていくことに教授は言及しています。

 医療・科学技術の進歩、伝統的な宗教・コミュニティの弱体化、ネット社会の進展など、私たちをとりまく環境の変化と向き合うこころが、常に新しい課題と直面していることを教授は述べつつ、自身の心理療法での実践を踏まえて、今のこころの最前線とそこにある問題を考えながらも、その時代におけるこころの問題に一般的な解決法や提言を求めるのではなく、個々人が自分の個別の課題を見出し、そこに焦点を絞って取り組むことこそ重要ではないかと、論考を終えています。

(解説:粉川尚枝 特定研究員)

こころの最前線と古層(最終回)「個人のこころと解決」河合俊雄                      

 このテーマで考えていくなかでは、具体例を挙げつつも、歴史的な背景を考慮した現代における一般的なこころに焦点を当ててきた。しかしそもそもこころのモデルに古層と表層、あるいは最前線の違いがあるように、個人のバリエーションも大きい。つまり極端にいえば、こころの古層をはっきりと保ち、いわばまだ前近代の世界のこころ観で生きている人もいれば、葛藤や罪悪感の強い近代意識に濃く色づけられている人もいる。さらには葛藤やこだわりのない、全くポストモダン的な意識で生きている人まで、グラデーションが認められるのである。それは現代において世界観やこころが安定的な状態になくて、変容しつつあるからこそ生まれてくるギャップといえるかもしれない。

 近年において、主体性が曖昧な発達障害的なクライエントが増えていることを指摘してきたが、時には罪悪感が強かったり、主体性をめぐる葛藤に苦しんでいたりするクライエントに心理療法で出会うこともある。(論考より)

出版社のページ(ここから『究』の講読が可能です)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b479961.html

 

2019/12/02

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