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【令和2年度 一般公募プロジェクト】腸内フローラ移植による身体症状の改善と心理的変化について

研究課題      腸内フローラ移植による身体症状の改善と心理的変化について

研究代表者     城谷仁美 ルークス芦屋クリニック 臨床心理士

本センター担当教員 河合俊雄 京都大学こころの未来研究センター 教授

連携研究者     城谷昌彦 ルークス芦屋クリニック 院長

 糞便微生物移植(Fecal Microbiota Transplantation;FMT、腸内フローラ移植、便移植)とは健常なドナーの糞便から採取した微生物を溶存させた液(菌液)を患者の消化管に移植し、疾患の治療を試みる治療法である。2013年にオランダの医療チームが難治性・再発性クロストリジウムディフィシル感染症(CDI)に対して従来の経口バンコマイシン治療群に比しFMT併用群の治癒率が有意に高かったことを受けて注目され、現在米国感染症学会のガイドラインにおいて、再発を繰り返すCDIに対してFMTが強く推奨されている。CDIに対する高い治療効果から、本邦においても現在FMTは難病である潰瘍性大腸炎などの難治性炎症性腸疾患をはじめ、自己免疫疾患や自閉症など多様な疾患に対して主に大学病院等において臨床研究が行われている。
 当クリニックでは2017年11月より腸内フローラ移植臨床研究会よりドナーの糞便から生成された菌液の提供を受けて、炎症性腸疾患やアトピー性皮膚炎などの患者を対象にFMTを実施している。移植を受けた患者から身体疾患の改善だけではなく心理的な変化も多く報告されたことから、当クリニックではFMTを受ける患者に対して、その前後で症状の改善や腸内細菌叢バランスの変化といった身体的な指標だけではなく、描画テストや夢の聞き取りも行っている。本研究はFMTによって、身体症状が改善されるだけではなく心理学的にも大きな変化が現れることを、夢や描画の変化も入れつつ検討することを目的とするものである。

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