【教員提案型連携研究プロジェクト】終末期に対する早期支援 (『きずな形成』領域)
【平成28年度 教員提案型連携研究プロジェクト】終末期に対する早期支援 (『きずな形成』領域)
研究代表者
カール・ベッカー 京都大学こころの未来研究センター 教授
共同研究員
冲永 隆子 京都大学人間環境学研究科博士課程 大学院生
金田 伊代 京都大学人間環境学研究科博士課程 大学院生
松本 光生 京都大学人間環境学研究科修士課程 大学院生
センター参画
清家 理 京都大学こころの未来研究センター 特定助教(上廣こころ学研究部門)
江頭 真理子 京都大学こころの未来研究センター 研修員
(教員提案型)
終末期に対する早期支援として想定しているのは、事前指示に関する相談と自己決定である(ACP=「Advance Care Planning」)。ACPは、「生きていく場所や方法に関する意思決定を計画的に支援していくプロセス」と考える。本研究の目的は、医療や介護を要する度合が高い高齢者を対象に、日本人の倫理に即したACPの開発である。
ACPの模範的な様式及び実践方法を提案することにより、少なくとも以下の4種類の効果を挙げられる。
1.患者は、望む医療やケアを受けられる。
2.家族は、医療の内容決定をより自然に受け入れられる。
3.医療者は、迷うことなく患者が望む医療行為を行える。
4.国民(納税者)の、過剰な医療保険料負担が軽減しうる。
明らかに倫理に反する上記四点の悪化を避けるためには、終末期に関する自己決定の過程を示しやすい形式を打ち出せるように研究を重ねる。
一般市民の声と、国内外の法的・経済的・医療的事情を考慮した上で、市民と国のニーズに応じる事前指示書の様式及びそれに至る教育を研究して、28年度には、その説明に使える教材(できればビデオ教材)の開発を目指す。
2016/04/21