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【平成30年度 研究プロジェクト】〈見えない人〉の美術表現

研究課題
(見えない人)の美術表現

研究代表者
吉岡洋 京都大学こころの未来研究センター 特定教授

連携研究員
伊藤亜紗 東京工業大学・准教授

常識的には美術は視覚という感覚器官の働きを前提しているが、現実には視覚に障碍を持つ人々による美術活動、美術表現の夥しい事例が存在している。そしてそこで産み出されている活動や作品は、晴眼者である美術表現者や鑑賞者の強い関心を惹くものとなっているのである。したがって、視覚障害者の美術活動を社会福祉的な観点からそれらを考察するだけでは全く不十分であり、むしろそれらを、美術という文化領域そのものに対する根本的な見方の変更を迫る事象として研究しなければならない。
この研究によって期待される効果は、一方では視覚の常識的な自明性を解体(それは前衛美術それ自体がこれまでも問題にしてきたテーマでもあった)することによって、視覚についてのより普遍的な理解に到達すること、また他方では、「美術」の制度性を批判的に考察することによって、美術という概念を拡張することである。

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