【教員提案型連携研究プロジェクト】国民総幸福（GNH）を支える倫理観・宗教観研究　（『幸福感総合』領域）

研究代表者
熊谷　誠慈　京都大学こころの未来研究センター　特定准教授
センター参画
松下賀和（トゥプテン・ガワ）こころの未来研究センター・研究員
安田章紀　こころの未来研究センター・研究員
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（教員提案型）
昨今、国際社会では、「幸福」に対する意識が高まりを見せている。とりわけ、ブータン王国の「国民総幸福」（GNH）政策は国際的に広く注目を浴び、2012年には国連において「国際幸福デー」（3月20日）が採択されるに至った。GNHについては、すでに経済学や開発学などの視点から研究が進められているが、国民総幸福を含む同国の先進的諸政策が，あくまでその基盤を同国に深く根付いた独自の宗教的倫理観の上に置いている事実は看過されたままである。
以上の背景から、本プロジェクトでは「国民総幸福」という概念に注目し、その根底に存在する倫理観および宗教観の仕組みについて、広くチベット・ヒマラヤ文化圏全体を視野に収めつつ多角的に検証し、さらには、わが国の宗教倫理、精神文化との比較考察をも行う。
　すでに、ブータン学研究室において2012年度より「ブータン仏教研究プロジェクト」が行われてきた。さらに、2013年度からは別途「ヒマラヤ宗教精神の研究」プロジェクトを推進する。本研究プロジェクトは上記の2プロジェクトと綿密に連動し、異分野融合研究としての効果も期待される。

2014/08/29