【教員提案型連携研究プロジェクト】組織文化とこころのあり方:日本における企業調査 (『現代の生き方』領域)
【平成26年度 教員提案型連携研究プロジェクト】組織文化とこころのあり方:日本における企業調査 (『現代の生き方』領域)
研究代表者
内田 由紀子 京都大学こころの未来研究センター 准教授
連携研究員
竹村 幸祐 滋賀大学経済学部 准教授
センター参画
福島 慎太郎 京都大学こころの未来研究センター 研究員
(教員提案型)
本研究の目的は文化の多層性に焦点を当て、日本文化における社会関係の基盤を解明することにある。その際、第1層としての「日本文化」と、第2層としての「組織文化」に着目する。他者との協調的な関係が幸福の主要な源であるとされてきた日本において、(1)第2層(組織レベル)の文化間に見られる共通性と差異及び第1層と第2層の間に生じる相克を検証、(2)個人レベルの要因(社会関係の認知等)とマクロレベルの要因(組織風土)を同時に分析、文化が心の働きに影響を与えるメカニズムを精査する。これらを通じて日本の企業内でどのような社会関係が幸福をもたらすのかを明らかにし、心の健康と安寧促進に資する知見を提示すると同時に、社会科学における新たな理論展開を目指す。
職場におけるソーシャル・キャピタル研究や、社会階層と健康についての疫学的知見などから、企業従業者の心のあり方については検討が行われてきた。一方で従業員のメンタルヘルスとそれを支える組織の風土についての検証は十分ではない。大きく変化しつつある日本社会の行く末を考えるにあたり、グローバル化する組織文化と伝統的な日本文化との相克を検討することは、現代日本社会における喫緊の課題である。本研究の知見は調査参加企業にフィードバックを行う予定である。
2014/10/07