【教員提案型連携研究プロジェクト】新人看護師のストレス予防とSOC改善調査 (『現代の生き方』領域)
研究代表者
カール・ベッカー 京都大学こころの未来研究センター 教授
連携研究員
赤澤千春 京都大学医学研究科 准教授 人間健康科学系専攻 (博士)
近藤恵 天理医療大学 助教
共同研究員
駒田安紀 京都大学人間・環境学研究科 大学院生
中嶋文子 京都大学人間・環境学研究科 大学院生
(教員提案型)
新人看護師は、不慣れな仕事と緊張度の高い職場で、燃え尽きる傾向にあることがよく指摘されている。本調査は、約100件に及ぶ近畿圏内の病院の協力を得て、一年にわたる新人看護師の精神的変容と、それに対する介入の状況を測るものである。アンケート調査では個人属性、首尾一貫感覚 (SOC: Sense of Coherence)、職業性ストレス、燃え尽きの傾向と程度、健康状態などの関連について調査する。22年度に同じ尺度を用いた4回の調査を行い、23年度には、その解析・分析、及び一年後の追跡調査をしていたが、1000人もの新人看護師の3年間の経過を見るためには、さらにもう1年後の追跡調査及びその解析・分析を行いたい。またその教育的介入や疲労の経年変化を探る。
本研究の応用としては、看護師の燃え尽きに繋がるとされる環境的要因と精神的要因、さらにストレスの時間的経過の影響などを突き止めることによって、看護師の支援や仕事の継続性を高めることである。健康生成論に基づいたSOCを測定することにより、新看護師が持っているストレス対処能力の差を特定し、それによる適応状況の差を明らかにできる。効果としては、新人看護師の精神的支援、コーピング・メカニズム、そして危険信号を事前に把握することにより、さらなる適切な介入や支援を目指し、看護師の燃え尽き防止に繋いでゆくことが期待できる。
2012/06/04