2019年第4回こころ研究会で中山真孝助教が発表を行いました
2019年6月12日、第4回こころ研究会が稲盛財団記念館1階京都賞ライブラリーセミナー室にて開催されました。本年度の京都こころ会議のテーマ「こころとArtificial Mind(仮)」に沿って、京都大学こころの未来研究センターの中山真孝助教が「人工知能時代のこころ観のゆくえ〜機械論的人間観と人間論的機械観〜」と題した発表を行いました。
中山助教の発表では、まず、コネクショニズムに代表される人間を機械と捉える考え方が、現在の人工知能技術開発の基盤となっていることが示されました。中山助教らによる研究では、脳の海馬系の生物学的な特徴を実装したニューラルネットワークから、行動・脳画像実験データを再現するような複雑な機能が創発されることが確認されています。その上で、中山助教は、このようにこころの科学の専門家が機械論的人間観を持つのに対して、一般の人々は、人間論的機械観に基づいてAIを捉えうるという視点をもつことも重要だと提唱し、「こころ」を持つように振る舞う人間らしいAIの可能性を示す研究の成果が紹介されました。
続くディスカッションでは、AIの定義をめぐって、AIという概念が時代ごとに変遷する可能性や、AIと人間の境界について議論が進められた他、機械を人間らしくすることの必要性などについて積極的に意見が交わされました。
(報告:中谷森 特定研究員)
2019/06/28